8
タヌ助が、サキに投げ飛ばされ飛んでいると、眼下にあの白いサルたちが見えた。
「フフフフ、来たな。」
タヌ助がそう言って、ニヤリと笑うと、タヌ助の姿が消えた。
タヌ助は、ある程度アヤから離れたため、呪縛により、アヤの元へと戻された。
「アヤさん、サキさん。
あの、白いサルたちが来ました。」
タヌ助は真剣な目で、アヤとサキを見ながら言った。
「いよいよ、だね。
アヤ、ちょっと貸して。」
サキはそう言うと、アヤが持っているタオルを取った。
「えっ、あっ、サキ、ダメ。」
前を隠していたタオルを取られ、アヤは恥ずかしそうに言うと、急いで両手で前を隠した。
サキは、アヤのタオルを胸に巻き、自分のタオルを腰に巻いて、しっかりと結んだ。
そして立ち上がると、
「これで良し、さあ、いつでも来い。」
気合の入った声で言った。
「サキ、それ、もう、アマゾネスになってる。」
アヤが恥ずかしそうな顔で、サキを見ながら言った。
「サキさん、少しジッとしていて下さい。」
タヌ助はそう言うと、右手をサキのお腹に当てた。
すると、そこが少し明るく光り、温かくなった。
タヌ助が手を離すと、サキのお腹に綺麗な模様ができていた。
「それは、わたくしたちが使っている、戦闘用の紋です。
それで、相手の動きがゆっくりに見え、体力の消耗を押さえる事ができます。」
「タヌ助、ありがとう。」
サキがそう言うと、タヌ助は笑顔で、軽く右手を挙げた。
そして、両手を合わせると、目を閉じ、ギュっと力を込めた。
みるみる、タヌ助の体が大きく成り、サキと同じ位になった。
「さあ、いつでも来なさい。」
サキがそう言って、決めのポーズを取った時、
「ちょっと、まったぁ。」
アヤが大きな声で言った。
「どっ、どうしたんですか、アヤさん。」
驚いてタヌ助が、アヤを見ながら聞いた。
「2人は戦う気、満々だけど、わたしはどうすれば良いの?
こんな姿じゃ、戦え無いよ。」
「そうですね、とりあえず、湯に浸かって、体を隠して居て下さい。
あのサルたちは、女の子の裸を見ると、襲って来ますから。」
「えっ、それって。。。
ひょっとして、お湯に浮かべたリンゴも、わたしたちも、あのサルたちをおびき寄せる為のエサだったの?」
アヤが、ジッとタヌ助を見ながら聞いた。
「まっ、まあ、そうですね。
人の女の子より、タヌキの女の子を助ける方が、大切ですから。」
タヌ助がそう言ったとき、3匹のサルが柵を越えて、露天風呂に入って来た。
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