§ 4ー2 12月10日 突然の告白
すぐに私を見つけられなくても、絶望しないでください。
私がその場所にいない場合は、別の場所で私を探してください。
どこかであなたを待っています。
ウォルター・ホイットマン (Walter Whitman)
♦ ♦ ♦ ♦
--神奈川県・喫茶ル・シャ・ブラン--
「ずっと、好きでした!」
週初めの月曜日。平日の夜とはいえ、以前は閉店間際までくつろぐ常連客で
「どうしたの?」と不思議に
そして、発せられた言葉。
発した後に、肩を狭めて顔を真っ赤にして目を
…………
天体パンドラへの核兵器による攻撃が失敗してから3ヶ月。垂らした
黒き魔女となったパンドラは
1カ月前に決行された、アメリカの隠していたUFO技術による電磁波を使った作戦(俗称:ヨハネス作戦)も、世界中が3日間停電するほどの電力を照射したが期待に応える成果もなく失敗した。進行中の残った核兵器での第2次ルードヴィヒ作戦も、前回の1万発に対して3千発強の発射と
パンドラとの接触ないし接近による被害の想定は、
一番多く報道されたのは『引力による水位の変化』による被害についてだ。数百メートルの水位の上昇が平野部にある都市を水没させてしまう予想から、多くの人や企業が標高の高い場所への移住・移転を真剣に考えだしていた。
また、生活必需品の買い
ある国の者は祈っていた。
ある国の者は泣き崩れていた。
ある国の者は怒り叫んでいた。
この国の者はいつもの生活を
それは、この国の神が社会規範であるから。生活に
…………
「……ごめん。蜜柑ちゃん」
目を見つめて彼女に答える。スッと肩の力が抜けたのが見てとれた。
「い、いや、そう……ですよね。なんか、突然変なこと言っちゃって、すいませんでした」
一段と顔が紅くなる。視線は
「ありがとう、蜜柑ちゃん。こんなおれを好きって思ってくれて嬉しいよ。でも今はさ、好きとか付き合うとか考えられないんだ……。彩のこと、匡毅のこと、バンドのこと、家のこと、自分のこと……。ホントにいろいろ考えなきゃいけなくてさ」
自分に言い聞かせるように颯太は話した。肩を落とした蜜柑ちゃんの瞳に映る自分が妙に情けなく見えた。
彩は入院している母を待ち続けるだろう。匡毅はル・シャ・ブランを辞めて就職活動を続けているようだが上手くいってないようだ。また、
「嬉しい? そう思ってくれるんですか? それなら言って良かったかもです」
「実は……お父さんとこの先の事を話していまして……。山梨の親戚の家に避難しようかって。この店もしばらく
「きっとまた会えるよ、蜜柑ちゃん。またライブもするから、応援しにきてよ。きっといいライブにするからさ」
なんの根拠もなく無責任に未来のことを話したのは、彼女を
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