第501話 いろいろぶん投げたいですが

 さて、どうしようかとゆるい思考を泳がせている迷宮管理者ネアです。

 オマツリの司会運営をかっ飛ばしてティカちゃんを救出(不完全)。

 ペナルティとしての『私』との分離。それに伴うちょっとした分離(ティカちゃんも含む)。

 なぜか天職の声さんを含む現状私管理だった迷宮は私のもとに残されたのが実に不思議です。私このまま消失してもおかしくなかったはずなんですけどね。

『私』と分離したことで存在自体は安定していないらしく、うとうとと魔力を垂れ流し迷宮たちに成長していってもらっているわけです。

 魔力だけは潤沢ですし。

 迷宮の構築管理は各迷宮核たちが行えますし、ウチのダンマスちゃんとダンコアちゃんがざくざく手を入れているので問題ないでしょう。

 ところで、天水ちゃんが『呑亀ちゃんねる』なるよくわからない娯楽を運営して意外と多くの他所様の迷宮主たちをハメているそうです。

 ハーブくんが「こんなところで実況ちゃんねる!?」と声をあげていましたね。ハーブくんが契約しているトカゲ氏は『ちゃんねる?』によく魔力をくれるよい『りすなー?』だそうです。

 あと刻倉くんも『呑亀ちゃんねる』はよくつなげては『おもしろいから、はい。らぶちゅーにゅー』とメッセージと魔力をくれるそうです。詳しく聞くところによるとまず、『ちゃんねる』の存在を認識し、(基本的に隣接迷宮等はわかりやすいそうです)『ちゃんねる』をあわせ(よくわからない)、そして『接続』に一定魔力が必要で、その魔力は天水ちゃんの『天水峡連』に受益されるそうです。『こめんと』と呼ばれるメッセージをおくるにも魔力が必要だそうです。系列迷宮は別に魔力をおくらなくても『ちゃんねる』の様子は見れるそうですが、『要望』を出すには魔力が必要だとのことです。

 楽しそうでなによりですが、『呑亀ちゃんねる』では天水ちゃんが天水ちゃんが、無口天然不思議ちゃんじゃないことに驚きました。

 いや、確かに早口言葉とかは得意なんだろうなとは思ってましたけどね。

 なんで、あんな喋り方だったんですかと聞きますよね?

 だって、普通に喋れるじゃありませんか。

『是。個性必須。否。没個性』

 えー、うん。確かに個性的だなとは思ってましたけどね。えー。策略にのせられましたか? ネアってば。

『エリアボス蛇。蛇。アルジ、エリアボス蛇、個性ナイ?』

 エリアボスも蛇も珍しくないので不安になったらしいエリアボス蛇は十分に個性的ですし、愛着のある子なので私に撫でられていればよいとおもいます。

「じゃあハニーを私が抱きしめるからエリアボス蛇はハニーが撫でやす……」

 とりあえず、私の椅子はエリアボス蛇がいいです。

 ヤツはぶん殴って排除です。(打撃力が低いのが悔しいです)

「私は、今、ネアですけど、『ネア』とは違うと思うんですよね。ですから、私に無理に付き合う必要はないんですよ。ほら、こーゆーウザいのも憑いてますし」

 今までの『ネア』を押さえているようですが、元の要素も高い外見なのは奴の干渉でしょうかね? 視線を……意識を向ければ嬉しそうにニコニコして手を振ってきますね。黙殺です。

『わけのわからないことを。私どもが主人様としたのはネア、今の貴女の魂です。……そうですね。少なくとも私『園長バティ』は貴女がよいのですよ』

『是。是!』

『すでに、ダンコア殿に組み込まれている自分は拒否権などございませんが?』

『美味しい食材足りてない?』

 いや、たまちゃんそこは問題じゃないかと思うんですよ?

 ショック受けたアクションで塊肉をなんで持ち上げてるんですか!?

 って、シロちゃんとクロちゃんがもふもふ襲ってくるんですが!?

『愚かしいことをおっしゃるからでは?』

 天職の声さんは相変わらず手厳しいですね。本当なら『私』のもとに在りたかったでしょうし。

 とりあえず、てきとーにアドレンス、およびケモノの森の把握にツトメテまいりましょうか。

 審判ぶちのめしても物事は解決していませんからね。むしろペナルティをもらっている気がしますからね。

 異界からの干渉者という自分の保護者張っている存在こそが世界の破壊をしかねない。なんてペナルティでしかないと思うんです。アイツらこの世界壊れていいと思ってやがるんですから。


 私は、『私』やティカちゃん、マオちゃんやアッファスお兄ちゃんにリリーお姉ちゃんがしあわせな姿を見ていたいし、終わらせたくなんかないんですよね。

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