第476話 主武器は槍!

 実際、生活は落ち着いて習慣化されれば人が多いだけで落ち着きはしますね。

 薬草採取に迷宮に潜り、基礎講座(読み書き計算に社会ルール)を受けて体力をつけるための戦闘基礎講座も受講するネア・マーカスです。

 今日もニエナさんが息をきらせながらコケてますよ。

「で、ネア君は槍を主武器にしたい、と?」

 教官をつとめてらっしゃる先輩だか、冒険者だかのお兄さんに私は「そうです」と答えます。

「槍なぁ」

 腕組みして空を仰ぐ姿からして思うことは。

「なにか問題があるんですか?」

 敵との距離がとれて、振り回すことで接近を防げるしダメージも与えられなくはないので良いと思うのですが。

「取り回しが難しいんだ。狭い場所では使い難いし、ネア君はち、小柄で力も強くない分振り回されてしまうことも考えられる。槍は剣より長いんだよ? 剣の素振りも危なっかしいよな?」

 槍に重さがそれなりにあることは否定しませんけどね。武器ですからね。最低限の重さが攻撃力に繋がると理解してますよ。ところでちいさいって言おうとして修正しましたね? いいですよ。ちいさいのは事実ですからね。

「とりあえず投げナイフで刃物に慣れるからじゃダメか?」

「投げナイフ投げるなら氷投げますよ?」

 その方が早くて攻撃力高いですからね。

「あー、そっちの方が攻撃力高そうだなぁ」

 もちろんですね。

 とりあえず棒を渡されて持ったまま走りこみをした後に素振りという指示を受けましたよ。

 くるりと回そうとして数回取り落としかけたのはご愛嬌でしょう。落としてませんし!

「棒で攻撃されたかと思ってものすごく驚きました」

 周回遅れっぽく走っていたニエナさんにぶつかりかけたのでお詫びにおやつを提供させてもらいましたよ。体力を使ったなら美味しくおやつを食べねばなりません。魔力も体力もモトを補給しておかなければならないのです。

 今日のおやつは薄っぺらいパンにお肉の塩焼きとチーズを挟んだおやつパンですよ。そのへんの屋台で買ってきました。

 最近はこのくらいならちゃんと食べきれますからね。

「体力がつき難いらしくて困っちゃいますね」

 そんなことを言いながらニエナさんはペロっと食べてしまうので、その様子から普段食べている量が根本的に足りてないのではと思われますよ。事実、調薬資材に注ぎ込んでいると食費が足りないそうですよ。

 それよくない奴では?

「成長期に食べそびれるとよろしくないのでは?」

 ネアもいまだに幼少期の栄養不足の影響補てませんからね。

「うーん、わかっているんだけど、あの資材を買うのにあと少し食費削れば買えるなって思うとそっちをついね」

「体力が有れば自分で採取に行ける範囲増えるのでは?」

 費用的にはそっちの方がお得かもと思うのは素人判断?

「そうなのかもしれないけど、ついそこに物があるとねー」

 わかってしまいそうだけど、これあとで苦労する奴ですよ。分割払いや後払いよりにこにこ現金払いがオススメなんですよね。債務を後回しにしてもいいのは責任を持って返済できる宛を考え行動できる人だけなんですよ。

 食費削ればいいかなって目先しか見えてない人は避けるべきとかつてこんこんと説明された記憶がっ!(心が痛いっ)

「なんとかなるはなんともならないんですよ?」

 ニエナさんが困ったように笑ってますよ。

 なんていうか、ダメなのはわかっているんだけど、どうしていいかもわからないって感じでしょうか?

 私もそういう知識にはうといですから、今度ティカちゃんに聞いてみようと思います。ティカちゃんなら答えをくれそうですよね。

 ティカちゃんには「変な話を持ってきて!」って怒られちゃうんですけど、相談したことは褒められたので良しではないでしょうか。

 そーゆーことは相談先が大事なんですって。

 ティカちゃんによるとニエナさんが頼っている講師の先生が頼りになってないんじゃないかと言ってましたよ。

 理由は「情報管理で矢面にニエナさんを立たせたから」だそうです。えっと、それはなんのおはなしなんでしょうか?

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