第408話 待ち時間
ソールカーナンさんと騎士様(グレックお父さんのお父さん)に連れられてマコモお母さんとグレックお父さん、それとグレイシアさん(グレックお父さんの妹さん)は地下水道破損箇所の現場検証に行っています。
その間、お城の食堂でドロップ品の買い取りやおやつを出してもらっているネア・マーカスです。
テリハさんはもふもふのマオちゃんの尻尾に興味シンシンですね。
ふわもこですから当然ですね。
「ギーズオーグ様がおじいさまなのはやはり羨ましいですね」
サーシオンお兄さんが香草湯の入ったカップで手を温めながらおっしゃいます。
「そうですねぇ。ちゃんとマオちゃんを可愛がってくださるおじいさまだとイイですね」
マコモお母さん似の獣人よりなマオちゃんですが、マオちゃんはマコモお母さんとグレックお父さんのひとり娘なんですから。
……。あのグレックお父さんの妹さん。マコモお母さんのこと「女狐」って呼んで喧嘩売ってましたね。そりゃマコモお母さんも倍掛けくらいで買ってたっぽいですが。
マオちゃんのこといじめられたらイヤだなぁ。
「ギーズオーグ様は種族差別などなさらない方ですよ。あと、その、納得できないかもですが。グレイシア様も普段はあのような発言をなさるような方ではありませんよ」
いや。してたし。サーシオンお兄さんがそう言っても私はそれしか見てないし。
マコモお母さんとなんか喧嘩になって地下水道で暴れたらしいし。二人で。
テリハさんが「あのオニイサマ旦那さんがとめればよかったのでは?」と言ってましたが、グレックお父さんがマコモお母さんを止めるような真似するわけがないじゃないですか。決まりきってます。
報告を聞いた王様の命令で当事者とその父親、地下水道管理責任者のソールカーナンさんで現場検証、被害額修復に必要資材の洗い出しに行ったんですよね。
ソールカーナンさん、帰り道にもあった破壊痕に虚ろになってましたからねぇ。
格子戸が数カ所壊れているところもありましたし?
それを見て、ええ。開かないからってぶち抜くと管理責任者がものすごく困るんだなぁと思いました。なにしろ地下水道は迷宮内じゃないですからね。元迷宮かも知れませんけど。
もちろん、私達は許可を得て『天水峡連』を探索していたし、問題はないのですが身内の犯行という感じらしくちらほらと視線を感じます。
「マオちゃんの可愛さに視線集中。知らない人についていっちゃいけませんよぉ。マオちゃん」
きょとんとしてるマオちゃんかわいー。
「あーぃ」
お返事しながら、ふぁふぁあくびがとまらないみたい。
「おやすみしていていいんだよ」
強行軍が過ぎるんじゃないだろうか。グレックお父さん……それともマコモお母さん主体かなぁ?
グレックお父さんもマコモお母さんもむちゃくちゃ元気あふれているように見えたけどさ。体力おばけなのか、睡眠不足はいてんしょん。ってヤツなのかちょっとわかんないな。
「ネア嬢も知らない人に無闇についていかないようにね」
「ちゃんと自衛できますよ?」
敵対者は燃やしてもいいんですよね?
身分を下手に確認するより先にやってしまえば、ただ不埒者を撃退しただけを主張できますからね。コレ警備隊のお兄さんお姉さん達の教えです。「気がつかなかったことにしてしまえ」コレが大事だそうです。
「ギーズオーグ様が助けてくださるでしょうが」
は?
「どうしてです?」
理由がありませんよ?
「グレックお父さんはグレックお父さんですが、グレックお父さんのお父さんとネアにはなんの繋がりもありませんよ?」
グレックお父さんのお父さんにとっての孫はマオちゃんだけですよ?
私にはなんの関係もありませんよ?
孫娘の姉っぽい存在だから?
守備範囲ひろいんですね。
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