第394話 一気に王都へ
お肉は使うが蛙の存在は謎のままで置いとくスタイルのダスティンおじいさんに謎を感じつつ柑橘風味を感じる蛙肉のスープを頂きます。
ものすごく美味しいと思うネア・マーカスです。
グレックお父さんはスープを口に運びながら「マコモに会いたい」と愚痴っています。マコモお母さん成分が不足しているが故の禁断症状ですね。
「光り輝く蛙の肉のスープだ」
「氷の反射じゃねぇの? じいさん」
「まぁ、美味いからなんでもいいけどよ」
「じじい、半端な上層で暴れすぎんなよ。やたらめったら氷壁が落ちてきてスライム蜥蜴と雪狼が大量落下であっぶねーことになってたじゃねぇか」
スライム蜥蜴ってスノーリザードですか。確かにまるまるふくふくですもんね。蜥蜴ですけど。
「おまえらが巡回しとるだろうが。スープとパンはすぐ出せるぞ」
お話を聞いているに雪狼はそれなりに強敵だそうです。冷気で足止めしてくるスノーリザードも地味に鬱陶しいらしいですが。
「今なら『清浄』しますよー。治療もできまーす」
今だけ無料ですよー。
巡回のお兄さんたちに『清浄』と『癒し』をかけてパンの籠を差し出しておきます。
この時にはさすがに次の日のお昼には王都にいるなんて想定外だったと言わざるを得ません。
グレックお父さんが早くマコモお母さんに会いたいからぶっ飛ばしたんだと思います。騎獣がぐったりしてましたよ。可哀想なので『癒し』と魔力を多めに与えておきました。はい。
冒険者ギルドに顔を出して、宿をとり、私は留守番でグレックお父さんは騎士団とやらに書類を持ち込みに出かけて行きましたよ。たぶん、さっさと帰るためですね。
私はまぁ、おやつ食べたら商業ギルドに顔を出そうと思います。
荷物袋の中にはたまちゃんチで採れるドロップ品も蒼鱗樹海で採れるドロップ品もありますからね。
『鑑定』のギフト売ってないかなぁ。
王都では街中の霜柱は少なく、張り巡らされた水路も流れてスライムがぷかぷか浄化しています。
人の往来は多くなく、商業ギルドに向かう私はチラチラ見られているっぽいですよ。
「こんにちは」
商業ギルド内にはちらほらと職員と思わしき方や行商人っぽい人が数人。一瞬、視線がこちらに集まりましたがすぐ各々のお話に戻ったようです。
で、受付どこですかね。
あ。ありました。ありました。
「ようこそ。どうかなさいましたか?」
ニコリと受付のお姉さんが受け付けてくださいます。
「ティクサーから今日王都に来ました」
商業ギルドのステータスカードを受付のお姉さんに提示しますよ。
「ティクサーからですか。ではなにか納入できる物資をお持ちですか?」
「はい。今のリストを確認させてもらえたらと思います」
街が仕入れたい物資リストがあるはずなのでそれを要求です。とりあえず銀貨一枚お支払いです。
ネアは基本水売りな薬草摘人ですが炭も木材も食材も在庫は潤沢なんですよ。
普通に飲料水不足ってなんなんでしょうかね?
銀貨一枚分、お水を貯水槽にぶち込んできました。
え。
大通りの霜柱砕いたのを掃除するのに水を使うので不足気味?
砕いた後なら『清浄』とか『洗浄』とか『ヒート』でいいのでは?
ギフトを使える冒険者は『蒼鱗樹海』に潜ってる?
道が氷で閉ざされないようにですか。大変ですね。
木炭が売れました。
たまちゃんチ産の加工肉も売れました。
王室御用達食材業者が困っていたので助かる? 迷宮産の果実の在庫はありますよ? あ、はい。売ります。売ります。
銅インゴットも売れましたよ。
『鑑定』のギフトは残念ながら在庫がありませんでした。
ルチルさん作の保湿クリームは受付のお姉さんが個人で買取っていきました。いや、私は別にいいんですけどね?
ギルドの上の人にお姉さんちょっと怒られてましたよ。
ダメ案件だったみたいですけど、ネア。まだ十歳の小娘ですのでわかりかねますぅ。
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