第346話 タガネさんと再会
お泊り伐採に弟君とティカちゃんの参加は決定しました。むしろ領主館の方からティカちゃんの家族には話が通っていたそうです。警備隊からは隊長さんとその部下(訓練も兼ねて)が参加らしいです。警備隊の人たちは時々交代するらしいですよ。荷物持って走るそうです。騎獣が。子供連れの移動距離なので夜の睡眠時間(移動しない)間に追いつけとか大変そうですね。魔物は変わらず出ますよと思ってるネア・マーカスです。
一階層の魔物くらいはあっさり倒せることを求められているんでしょうね。
「日取りはしっかりして欲しいんだけど?」とティカちゃんがご機嫌斜めでしたよ。確かにすぐ終わる依頼しか受けれないですね。領主様が待機分も出すことで話がついたようです。でも、別に町中依頼を受けてもいいとのことで清掃依頼を一緒に請け負いました。ついでに買い物もできますしね。
ちょっとした鍋とか火種の魔道具とか、携帯食とかランタンや燃料油、回復薬と清潔な布などの消耗品です。クノシーに行った時に一揃い自分用を揃えたそうですが、たまちゃんチに行って使用分の補充をまだしていなかったそうです。
あと弟王子に「狡い」とごねられました。自分で許可とってください。私は「いや」って言ってますけど。
「お! ネアちゃん冒険の買いもんしとるんはえらいの。オッチャンもルルんとこ行って準備しとくさかい、今夜はちゃっちゃっと寝とくんやでー」
振り返ればタガネさんがいましたよ。
「必要なものはなんですか?」
弟君がタガネさんに質問しますよ。
「んー? 食うもんと水はそれぞれ持っときや。あと縄とナイフはあった方がええんちゃう?」
基本装備を個々で持っていると問題なさそうですね。
「ネアちゃんもハーブ坊も消えモンの確認はしとるやろ。すぐ使えるようにはしときやー。っと、はじめましてやな。おじょーちゃん。オッチャンはタガネゆーてぎょーしょーにんやよろしゅーな」
「ティルケ・ナーフです。今回の探索同行者の方ですよね。よろしくお願いします」
「お! 食堂のお嬢ちゃんやな! 話は聞いとるでぇ。今回は荷馬車持ちこむさかい、お子ちゃまは夜は荷車でゆったりやぁ」
おお。快適野営ですね。
「野営の基礎とかは?」
習えると考えていたティカちゃんとしては予想外の言葉だったようです。
「せやゆーたかてなぁ、お子ちゃまははよう寝んと成長に差し支えるさかいなぁ」
規則正しい生活はあまり崩さないほうがいいとタガネさんはおっしゃいます。
その通りはその通りですね。
「夜は『蒼鱗樹海』も不死者が徘徊しよるからのぉ」
「ふししゃ」
「ゆーても、形のないゴーストやゾンビボアやスケルトンボアや。『魂極邂逅』みたいに会話可能な魔物がおるわけやあらへんけどなぁ」
タガネさん達大人からすると冒険者一年目のお子様にはまだ早いと思っていそうですね。
「つまり、浄水と魔力回復薬を追加で用意しておいた方がいいんですね。ありがとうございます。タガネさん」
にこりとタガネさんに感謝を伝えたティカちゃんに腕を引かれた私はついたたらを踏みます。
あぶなく転ぶかと思いましたよ。
「ネア、道具屋と武器屋、いくわよ!」
背後でタガネさんが「ええのぉ。いっといでー」と声をかけてくれているようでした。
ティカちゃんは『浄化』が使えますから多少不死系魔物にも対応できます。が、今のところ魔力消費が多いので注意して使わなければいけないとぼやいていました。
格の高い魔物には『浄化』が効きにくいこともあるそうですし。
「たまちゃんチの一階層と二階層のゴーストはなんとか浄化していけるけど、三階層への試練で出た階層番のゴーストは『清め塩』使った上で魔力切れギリギリになったんだもの。もっと練度か魔力を上げないと!」
と、向上心高めですよ。
肉体を伴わない魔物は存在可能にしている保持魔力を対応した魔力(火や浄化などの特定属性)で相殺、圧倒する勢いでぶつけるしかないので大変ですよね。あ、園長の保持魔力強化しておかなくちゃいけませんね。
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