第13話 他国の空気



 旅人予定のネア・マーカスです。

 昼前に王都についてタガネさんのお仕事終わり待ちしながらお水出し。

 他にもお水出せる人はいるだろうと思っていたら司祭の格好をしたおじさんに水を出す魔法を使える魔力の使い手の人たちは火災の消火で魔力と気力を使いきってしまって休憩中なのだと教えてもらえました。

 休憩してお水。と飲もうにもお水出せる余力のある人がいないのは困りますね。

 お水、出します。

 お水を受け取った何人か人はお金ではなく学園都市の知り合いへの紹介状を私とアッファスお兄ちゃんに書いてくれました。現状では現金及び価値のある物は生きているということなので将来的に恩返しさせてくれと声をもらいました。

 お昼過ぎに王都を出て国境の町トルファームについたのは夕食前の時間。町の門が閉じるすこし前でした。

 王都から国境の町トルファームまでの道は雑木林の中をひらかれた街道が走り、ほんのすこし草原。

 私の住んでいる国は言うならば『森の国』。トルファームのある隣国は『草原の国』で感じる空気がかなり違った。

 草原で最初に出会った魔物はバッタ。そして草原ネズミでした。草原ネズミはリスより肉が多くとれそうで美味しそうです。

 身分証と紹介状で町に入り、宿にむかいました。

 冒険者ギルドに併設されている宿でした。

 タガネさんが魔物素材の買い取りをしてもらっている間に私とアッファスお兄ちゃんはお夕飯です。

 タガネさんは買い取りをしてもらうだけでなく、国への救援依頼書の配達員でもあるのです。忙しいですね。

 先に食べるお夕飯ははじめての異国料理です。

 白いスープと黄色いパン。

 平べったいパンを白いスープにつけて食べるようでした。

 それにしてもパンなんて食べるのいつぶりでしょうか?

 たまにお芋と干し肉のスープとか出てきたらご馳走でしたからね!

「草原ネズミの骨で出汁をとって芋とかの根野菜を山羊の乳でまとめたスープなんだよ。タガネさんは余裕があるなら草原ネズミの串焼きを添えて芋酒飲んでるなぁ」

 黄色いパン美味しい!

 山羊の乳スープ美味しい!

 戻ってきたタガネさんによると二、三日この町に滞在するそうです。

「ネアちゃんはギルドで、ああ、商業ギルドの方な。朝連れてやるから。そこで水売り仕事な。あっちゃんはオッチャンと一緒に町周辺の魔物狩り行くで」

「はい!」

 元気いっぱいに返事をするアッファスお兄ちゃんに合わせて私も頷いておく。

「いっぱいお肉狩ってくるから楽しみにしとけよ。ネア」

「お肉……」

 美味しくて好きだ。

 その後、お肉に焦がれる私を見かねたのかタガネさんが草原ネズミの串焼きを買ってくれました。

 ネズミ、美味しい。

「あー、わかるぞー。ティクサーの飯に慣れていると大概なに食っても美味いよな。俺もルルにはじめて飯出された時感激したもん」

「お肉の美味しさが違う」

 うんうんと頷くアッファスお兄ちゃんは仲間だと思う。

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