第三章の裏話
普通、
必ず自分の居場所は留守のものに知らせておき、いつ城からの
そして外出する時は、大抵、従者が護衛している。
荷物持ちもこの従者がする。
荷物も自分で持つと背中にからわれたらしい。
「
「では
ということになったらしい。
「お呼びですか?」
「オババ様の所へ出かけ、その後、城下で飯を食うだけだが、今日は、そなたは雲隠れしていろ。」
「は。」
敵に一人でいると見せかけ、油断を誘い、
こういう時には
私が
―― しかし、オババ様の所へ行く道のりにも、城下にも、そうそう敵などおるまいに?
私は小首を傾げた。
「
不意に
「は?」
「オババ様の所へ身を寄せている娘で、
「その娘に会いに行かれるというのか?」
ウンウン、と
「この前、薄桃色の
「う、薄桃色だと? 直接会いに?!」
「そなたに雲隠れしろと仰るのも、きっとあのデレデレ顔を見られぬように、だ。」
「あ、
「いーや、俺は見た。あんな顔をする
そこに
「おい、
「は、只今、参ります。」
「
「は、承知。」
「行って参る。」
「お気をつけて。」
オババ様の所でも、遠巻きから見守ってはいたが、なるほどデレデレだ。
普段は口を一文字かへの字にして、微笑むことなどないのに、フッと力が抜けるように笑みを漏らすことが何度もあった。
さらにコロコロ変わる女の表情に、
どんな
―― しかし、
別に
城に行けば、自然と武家の娘や、
だが、たいていの城の女は
身分が高くない女たちはたいてい
―― しかし
身分や家柄や素性や見た目など一切気にせずに、
そのうち、城下に行くと、
―― やはり、
―― きっと
しかしその直後に、頬を赤らめながら
―― いや、仕事もあるが、やはりそれなりにお楽しみなのでは…
という考えに変わった。
兎にも角にも、雲のように隠れて、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます