四番目のアイテム説明
パウンドスーツ。
三層からなる仕立て防具。
表皮にフォーグナーバイソンのなめし皮、内側にアンクゥスバイソンの表皮、さらにオシデンタリスバイソンの毛が丁寧に織り込まれたツナギ状の服。生体ファスナーや内部シリコンには形状記憶を生体に持つ特殊なワームの表皮が使用されている。
フォーグナーバイソンは草原を好む大型のバイソンで動物類。水牛のように大きな角を持ち好戦的であるため家畜には向かない。群れで生息し大規模な群れを形成することもしばしば。その皮は弾力があり良く伸び突撃に対して高い耐性を持っている。
アンクゥスバイソンは高地を好む小型のバイソンで動物類。高地の少ない食料に適応するため小型になったバイソン。一体から三体の少数で生息しすばしっこい。その皮は分厚くブヨブヨしており衝撃に対して高い耐性を持っている。
オシデンタリスバイソンは海辺に住む珍しい大型のバイソンで鯨類に近い。群れを形成し怒ると大波を起こす。その毛や皮は非常に硬質で斬撃に対して強い耐性を持っているが非常に臭く、処理には時間と金を要する。
パウンドスーツは両腕を除いて足から首元までをすっぽりと覆う形状をしており、着脱に若干の難がある。
材料が非凡であり、組み敷かれた回路と組み込まれたトップスターにより、耐衝撃、耐斬撃、耐突撃性能を高め、さらにアンクィスバイソンの皮は速乾性に優れ汗を素早く吸収し、オシデンタリスバイソンの毛は上手に処理できればマイクロファイバーのように手触りが良い。
使用トップスターは生体神経。
回路を敷いたうえでこのトップスターをはめ込み魔力を通すと、服があたかも生物のように鼓動を始める。これにより持ち主の垢や汗又素材として使われたバイソンの捕食物、植物を吸収し劣化を防ぐことができる。
このトップスターは森林地帯に存在する大型ワーム状ホロウの体内に内在している可能性のあるもので一流の防具ではあるが、性能、機能面はいたってシンプルである。
ファスナー部分や内部シリコンには大型ワーム(動物)のものが使用されている。
生物としてのワームとホロウとしてのワームが使用されており、この二種の親和性は高く、この二つのワーム系素材を揃えた防具は一級品と言って差し支えない。
ただしこの防具類を作るのは非常に困難であり、貴族として潤沢なコネと金品、エルフリーデというノーリスクな駒がいたことにより実現した防具である。
ヒロインがこの防具を手に入れるには、ロンバルディ領において起こった盗賊による街占拠イベントをこなし頭目を打ち取り、ある遺跡の鍵を奪取、遺跡攻略イベントにおいて最終攻略地点手前に無造作に置かれた古代遺物パウンドスーツをただの古びた布と侮らず持ち帰り、仕立て直さなければならない。
防御面に優れており、困ったらこれを着ておけば大抵なんとかなる一品。見た目も可愛い。
通常は存在する耐久値が無限であるため面倒臭がり垂涎の一品である。
淑女の担い手(強化レプリカ)。
両手に装着する二の腕までを覆う黒い布状の防具。
単純な硬化機能と腕力補助強化回路が付与されており、任意で硬化することができる。これで殴られるとハンマーで殴られたような鈍痛を受ける。
淑女が常用し、身を守ったりムカつく殿方を平手打ちしたりする場面などに使用される。
腕力補助強化と腕力強化には違いがあり、腕力補助強化は一定レベルの腕力まで引き上げる効果であり、腕力強化は元の腕力を強化する効果を持っている。
腕力補助強化であれば非力な淑女もその度合いにより岩をかち割るほどの剛拳を獲得できるが、腕力強化の性能では非力な淑女は非力なままだ。
ゴーグル。
削りだした水晶を組み込んで作られたゴーグル。ゴーグル自体には何の仕掛けもない。水晶に回路を刻むと視界の邪魔をするため。目を通して侵入する寄生生物やガスを防ぐ目的がある。
マスク。
異物を遮断するマスク。体に必要な空気を厳選して集め透過する回路が組み込まれている。疑似的な酸素マスクの役割も持っている。
前面から装着すると後頭部まで伸び、がっちりと顔を保護する。同時に口から入り肺を犯す寄生型キノコ類の胞子をシャットダウンする。
ただの剣(レプリカエースオブエース)。
ドラッベンラが彼レフェレンシアに渡した剣。材質は鉄鋼でただの剣ではあるが、複数の回路とトップスターが使用されている。
形状は普通の一般的な両刃の片手剣。柄と刀身に回路を使用し柄の先端にはトップスターが取り付けられている。回路には自己修復、硬化、切れ味強化が使用され、トップスターにはメモリーが使用されている。
トップスターメモリー。記憶保存型のトップスター。魔力を通すことで保存されたメモリー内より戦闘スタイルを抜粋、体を操作して敵と戦ってくれる。メモリーは蓄積され、一度も戦ったことのない相手であっても戦いの中で記憶し持ち主を補助する。
トップスターメモリーは主にゴーレム型ホロウや樹木型ホロウから出土するトップスターである。
オリジナルは存在する。
名無しの名工、古代人による作、エースオブエースが元。通称鞘食い。
エースオブエースはゲーム内において序盤の武器屋に売っている一番安い剣である。並ぶ武器の中で攻撃力が最低になっているため見逃す確率は思いのほか高い。店を訪れた時点では鉄の剣と表示される。モーション補正があり、あらゆる攻撃が熟練の動きを持って再現されるため、この武器が序盤にあるかないかで明暗は別れる。初心者お助けアイテム。
古代人により作成された剣であるが、銘が刻まれていないため、普通の剣と見分けがつかず、似たような剣は鋳つぶされたり溶かされたり捨てられたり現存数は少ない。
似たような武器にクインオブハート、ジャックオブスペード、キングオブダイヤなどが存在し、どの武器も強力な片手剣である。
ドラッベンラは早い段階でエルフリーデを使いエースオブエースを手に入れ解析、模造品をいくつか制作した。現在オリジナルはエルフリーデの手によって聖女ユエニファに譲られ、ユエニファが訓練に使い今も大事に持っている。
鞘食いの由来は自己修復機能にあり、刀身を修復するのに鞘の金属を勝手に消費するためだ。
名無しの名工。
ただひたすらに優れた剣を作り続けた名無しの名工。優れた剣を作り続けたが、銘も掘らず名誉も欲しなかったため晩年までも無名である。無名である事を利用され、模造品や盗作、作ったのは自分だと別の人間が製作者として語られてしまったこともある。
どれだけ優れていようと人の世は無常である。
敬愛する女性騎士に剣を望まれ、クインオブハートを作り贈呈するも、クインオブハートを手にした女性騎士は自らの婚約者にクインオブハートを奪われ殺されてしまう。女性騎士の最後の言葉が剣さえ無ければというものだっため名工は深く苦しんだ。
のちにキングオブダイヤを制作しクインオブハートを自らの手で回収している。
剣を製造したことを悔い、自ら制作したものを回収する旅に出たが、そのほとんどの持ち主は返却を拒否した。
晩年名工は人の全く寄り付かない山奥の洞窟に住みつき、一人寂しく亡くなった。
クインオブハートとキングオブダイヤを鋳つぶそうと考えたが、鋳つぶすことができなかったようだ。
クインオブハート。
持ち主を不孝にすると言われている両刃の片手剣。クインオブハートに持ち主を不孝にする効果は付与されていない。
ゴムのようにしなやかな特性を持つアンネタイトを芯に、アダマンタイトで外殻を覆った折れず曲がらず欠けない剣。アダマンタイトに回路を引くのが非常に困難だったため、芯として使用されたアンネタイトに回路が刻まれている。そのため見た目は普通の剣だが性能は破格となる。
名工は火の神マルズの加護を受けておらず、この剣を見たマルズや、マルズの信徒の激しい嫉妬を買った。
アダマンタイトは地獄と呼ばれる場所でしか鍛えられない金属である。
女性騎士のため地獄まで赴いた名工の強い意志が伺えるが、その意思が彼女に届かなかったのは言うまでもない。
現在の持ち主は王子。
キングオブダイヤ。
クインオブハートと打ち合うために作られたオリハルコン製の片手剣。
アダマンタイトは深い青色、オリハルコンは黄銀色であるため二本を並べるとコントラストが美しい。例にもれず普通の剣に見えるが折れず曲がらず決して欠けない。
深い悲しみを払拭するように残る残像が非常に美しい。
現在の持ち主は王子の側近。
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