第171話 悲しすぎて涙が……



 という事は、たしかクロードきゅんのお母様の年齢は確か…………何故だか分からないのだが急激な寒気に襲われ始めたのでクロードきゅんのお母様の年齢の事は考える事は止めよう。 この学園へクロードきゅんが入学する事が決まった時に、説明会へお母様同伴で来ていただいたのだがとても高等部の子供一人いるとは思えないような美しくて若々しい容姿をしていたので今度会う機会があった時はそのアンチエイジング方法を聞いてみてもいいかもしれない。


 そもそもこの世界では男性が極端に少ないだけではなく、ただでさえ少ない男性は男性だけに作られた空間で自ら望んで隔離されている現状では化粧もアンチエイジングもする必要性が低いのである。 というかその成果を見せる相手がいないので、やる人も少ないと言った感じなのだ。


 そして、この学園に関してだけは見せる対象がいる為教師たちはいまさらアンチエイジングを必死にし始めているのだがはっきり言って遅すぎると言っても過言ではないだろう。


 その点に関しても白馬の王子様を夢見て、友達からは夢見過ぎといわれ続けながらもアンチエイジングを若いころから行ってきたのである。 勿論化粧の勉強や技術向上のための努力も怠らなかった。


 っと、話が逸れてしまった。


 話を戻すとしてクロードきゅんが今十五歳だとして恐らく自分の母親の十歳下というのはクロードきゅんのストライクゾーンというか許容範囲内は恐らく上は二十五歳前後とみて良いだろう。


 これは私もクロードきゅんの許容範囲内にギリギリ入っている事となるので、クロードきゅんには気付かれないようにホッと胸を撫で下ろす。


 ちなみに私は高等部を卒業後、宮廷魔術師を二年間勤め教師の資格を得てからこの学園に配属され早四年。 ピッチピチの二十四歳である。


 同年代だと帝国軍から教師となった私の同級でもあるパメラ・アンダーソン先生がいる。


 そして、学園長は御年数百歳(頑なに教えてくれない)である為見た目がいくら若かろうがクロードきゅんの許容範囲外である事は間違いないであろう。


 あぁ、お可哀そうに……。 本人は隠しているようだが、あんなに日々クロードきゅんにアピールする為に影で頑張っている事はバレバレなのに……その努力が無駄だなんて……悲しすぎて涙が……。


「あれ? カレンドール先生何か良い事があったんですか? にやけてますけど?」

「い、いやっ、なんでもないんだっ!! クロードきゅんと二人っきりだから嬉しいのかなっ!?」

「へ? そ、それって……」

「生徒とこうして接することができる機会などそうそう無いって意味だぞっ!! か、かかかか勘違いはするなよっ!!」

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