第169話 きゅん?


 私がそうクロードきゅんに問いかけると、クロードきゅんは少し考え始めるではないか。


 考えるという事は、もし結婚できる場合であったとしても『即答できないような対象』という事なので同世代や年下相手にはかなりスタート位置が後方になっているという事でもあるのでかなりアピールをして歳の差が気にならないくらいの存在にまずは持って行かなければならないという事でもある。


 くっ、学生たちの若さが恨めしいっ!! その若さを吸い取ることはできないものか。


 しかしながら万が一の為に今までアンチエイジングを怠らずにお肌のケアなどをちゃんとやって来た私は、私と同年代でありこの学園の武術の講師のパメラよりかはまだマシであることは確かであろう。


 しかも私はクロードきゅんの担任でもあるので、武術の授業でしかクロードきゅんとは会えないパメラよりもかなり優位な立場である事は間違いない。


 そんな事を考えているとクロードきゅんは考えが纏まったのか私の方へ目線を向ける。


 もしこれで私が年上ゆえに断り文句を考えていただけという事であれば私は恐らく一週間は無断欠勤してしまう程のダメージを喰らってしまうかもしれない。


 クロードきゅんの答えを聞きたいけど聞きたくな。 そもそもこんな事聞かなければ良かったとさえ思えてくる。


「そうですね、俺は年上だとか年下とかはあまり気にした事はないですね。 異性として好きになるときは年上だとか年下だとか関係なく、その人だからこそ好きになると思います」

「……ク、クロードきゅん…………っ!!」

「…………きゅん?」


 しかしながらクロードきゅんの返答は私が思yそうしていたどの返答とも違っており『好きになった人を好きになるので、年上や年下とかはあまり気にしたことはない』と言うではないか。


 そのクロードきゅんの答えに私は思わず感極まってしまい『クロードきゅん』と呟いてしまったではないか。


「い、いや何でもない。 気にしないでくれ。 しかしそうかそうか。 クロードは年齢など関係なく好きになるという事なんだな。 良い心がけではないか」


 そもそも一般的な男性は若い女性を好む者が大半であるようなので、如何にクロードきゅんが奇跡のような存在であるかが窺えて来る。


 中には熟女好きという男性もいるのだが、そういう奴らはいわゆる特殊性癖であり、しかも年上と言っても四十代以上を好む傾向がある。


 そもそも四十代以上ともなると私の母親より少し上である為いくらクロードきゅんといえども少しばかり引いていたかもしれない。


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