第168話 大人であり教師であり担任
これはもう告白してもいいのではなかろうか?
もしダメだったとしても、襲って嫌われるよりかは全然マシである。
そう思えば、告白する事などなんでも無い事のように思えてくるから不思議だ。
先ほどまでクロードきゅんに嫌われたくないと、あんなに自分の気持ちをさらけ出すことを怖がっていたのが嘘みたいである。
フラれるのが怖いから、自分の感情を知られるのが怖いから告白したくない。
でもクロードきゅんを愛しているからこそ告白する勇気が持てる。
その相反する感情が私の中を駆け巡ってなんだか不思議な気分である。 クロードきゅんに告白できると思える今なら何だってできそうだ。
これが、この相反する感情と、愛する人の事を思えばこそ何でもできそうな感覚こそが人を異性として好きになるという事なのだと、私は初めて感じる感情をそう断定する。
「な、なぁ……クロードッ!!」
「何ですか? カレンドール先生」
「ク、クロードは今何人の婚約者がいるんだ?」
「はぁ? 突然ですね。 あぁ、閉じ込められているという状況にテンパらないように別の話題を振って閉じ込められている事から思考を逸らそうとしているのか……。 なんだかんだ言ってカレンドール先生はやっぱりできた大人であり教師であり担任なんだな……」
「ん? 何かぼそぼそ呟いているみたいだが遠慮せず言って良いんだぞっ!?」
「いや、何でも無いです。 それで婚約者の話ですね……そうですね、今はまだ誰もいないですね」
そしてクロードきゅんはぼそぼそと何か呟いた後、婚約者はいないと言うではないか。
「ニ、ニーナやジュリアンナ、オリヴィアなどとは最近物凄く仲がいいみたいなんだが、その娘たちとは何も無いのか? そ、その……婚約していないまでも異性としてき、きききき、気になっているとかいないとか、あ、あるだろう?」
「(なるほど、話題をそらし緊張をほぐしつつ、生徒たち(特に男性である俺)の交友関係が問題ないものであるのか調べているのか。 その事からも生徒たちの事を一番に思っている事が伝わってくるな) うーん、まぁみんないい娘たちとは思うので仲良くしたいとは思っているのですが異性として気になるかと聞かれると
「そ、そそそそそそそうか……っ。 そ、それで、と、とととととと年上とか、クロードは、そのどう思っているんだ? その異性としてけ、けけけけけけっ、結婚できるのか?」
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