第167話 はぁもぅ好きっ!! 大好きっ!!



 今まで同性を好きになった事は何度か合ったし、それこそ夜の営みをして愛し合った事も何度もあったのだが、私はその感情を『恋』だとか『愛』だとか思っていた。


 しかしそれがクロードきゅんのせいですべてが『恋』だとか『愛』だとか私が勝手に決めつけて勘違いしていただけであるという事が分かった。


 そもそも私は同性愛者でも両刀でもない、異性愛者であることくらいは分かりきっていたのにも関わらず、恋を知りたい、愛を知りたいという思いから、ごっこ遊びをしていただけだったと今にして思う。


 今まではそういう行為をする事が愛している事の確認のつもりであった。


 好きだからそういう行為をしたい、好きだから私の産まれたままの姿を見てほしい、好きだから、好きだから、etc、etc、etc、etc。


 しかし、今私はクロードきゅんを本当の意味で好きになって、愛してしまった今、確かに私の全てを知って欲しいしそういう行為をしたいとも思うのだけれども、それ以上に知られる恐怖、拒否される恐怖の方が勝ってしまっており、行動に移すことができないのである。


 それに加えてクロードきゅんの事を愛しているからこそ、同じ空間でいるだけで満たされてしまい、もし私の気持ちを伝えてしまったら、もしここで性欲に任せてクロードきゅんを襲ってしまったら、嫌われてしまうかもしれないと思うと恐怖で今のままで良いやと思ってしまうのである。


 知られる恐怖、嫌われる恐怖、そんな感情は今まで恋愛ごっこをしていた相手に抱いたことなど一度もなかった。


「これが、人を愛するという事なのか……」

「どうしたんですか? 先生。 やっぱり体調が悪いんじゃ……っ?」

「あ、え、ぅ、そ、そのっ! ……だっ、大丈夫だっ!! 大丈夫だから気にするでないっ!!」

「そうは言っても、どう見ても今のカレンドール先生は体調が悪そうにしか見えないんですけど? 顔も真っ赤だし………んっ、…………ほら、熱だってあるじゃないですかっ!!」

「はひぃぃぃぃぃいいっ!!!!????」


 わ、わざとやっているのかっ!? クロードきゅんはっ!? いくら何でも無防備すぎるっ!! そして危機感が無さ過ぎるっ!!


 まさか私の熱を測る為におでことおでこをくっつけてくるなんてっ!!!!


 私がほんの少しだけ前に唇を突き出したらキスできそうな距離にクロードきゅんの顔があるのである。


 も、もうあまりのイケメン過ぎて心臓が止まるかと思ったじゃないのっ!! まつ毛も長いしっ!! 肌も透き通ってるしっ!! はぁもぅ好きっ!! 大好きっ!!

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