第163話 もう、好きっ



 そして私はクロードきゅんの股間に少しだけ体重をかけて(横にズレるだけなので股間に手を添える意味も無ければ体重をかける意味も無いのだが)クロードきゅんの上から横にズレる形で離れる。


 そして思う。 どうせならクロードきゅんの胸板ももう少しだけ堪能しておけば良かったな、と。


 その時はクロードきゅんの胸板に私の胸を押し付けるような形で倒れてしまい少しだけパニックになってしまった上に、慌てて立ち上がろうとして気付いた股間という名のワンピースに触れている事に気付いた私にはそこまでの思考を巡らせる精神的な余裕など無かった。


 今思えば、もう私の人生にこんな経験などある訳が名無いであろうから、もう少しだけクロードきゅんの身体を堪能しておけば良かったと、ああすれば良かった、こうすれば良かった、もう少しまだ何とかなったのではないか、といろんなタラレバを妄想しては後悔してしまう。


 それでもクロードきゅんの非戦闘モードの聖剣の柔らかさは、もし私に子供が産まれた場合は伝えてやろうと思う。


「先生? カレンドール先生?」

「は、はひぃっ!? 急に話しかけるなっ! ビックリしたであろうっ。 そ、それでどうしたのだ?」


 私がクロードきゅんの聖剣の事を妄想している所にクロードきゅんから話しかけられて、思わずかなりビビってしまうのだが、それを隠す為(もしビビッている事がバレて、その結果私がやましい事を妄想していた事を悟られない為)に、クロードきゅんに強く当たってしまう。


 本当は私が悪いにも関わらず、後ろめたさも相まって怒鳴ってしまうなど、本当にダメな年上であり、先生だなっと思ってしまう。


 どうせダメな先生でダメな大人ならばここでクロードきゅんを襲って、とことん堕ちる所まで落ちてしまっても良いのではないか? なんて事を思ってしまう。


「す、すみません……。 とりあえずこの体育マットを持って行きたいのですが、どこに持って行けば良いですかね? そのまま体育館内に敷いていく感じですかね?」

「いや、先生の方こそ怒鳴ってしまって悪かった。 クロードは何も悪くないから気にするな。 そうだな……とりあえず体育マットを三枚程体育館中央付近に敷いてもらえるか?」

「分かりました。 それでは、身体強化を使えば一気に三枚持って行けそうなので一気に行きますね」

「無理はするなよ?」

「大丈夫ですって」


 そしてそう言いながら本当に体育マット三枚をひょいっと担ぎ上げるクロードきゅん。


 そのクロードきゅんの腕に筋肉が浮き出ており、はぁはぁはぁはぁはぁはぁ、もう、好きっ。

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