第162話 先生失格
何なのっ!? 何なのっ!? クロードきゅんは、本当は私の事が好きだって事で良いのっ!? よ、嫁って言葉が出るくらいだものねっ!! そ、それってクロードきゅんは今私しから襲って欲しいという意思表示……という事でいいのかしらっ!?
そ、そうよねっ! クロードきゅんはまだ学生で、十代。 私の方が、そう、少しだけ大人でお姉さんだもんねっ!!
それに、自分の気持ちを伝えるのって恥ずかしいよね。 特にクロードきゅんの年代は。
それに、私もクロードきゅんのお陰で初めて恋というモノを知る事ができたのだけれども『好き』という感情を異性に伝える事ってこんなにも恥ずかしくて怖くて、勇気がいるものだという事に今気づいたくらいだもん。
大人なお姉さんである私でこれだもん。 クロードきゅんは年下だから、年上で大人なお姉さんである私に甘えたいと思う気持ちも分かるわ。
むしろ、クロードきゅんが私に甘えていると思うと、私の中の母性本能が爆発してしまいそうなんだけどっ!?
というかもう既に爆発して、クロードきゅんを抱きしめたい欲望を抑える事で大変なんだけどっ!?
というかもう襲いたい欲望も、キスをしたい欲望も、あれもこれも、どれもその欲望を我慢するだけで脳の要領が限界値に達してしまっており、思考回路がショート寸前だ。
く、クロードきゅんっ!! 私で良いのっ!? お、襲っちゃうよっ!?
「く、クロードきゅん……っ!! 実は私──」
「あ、カレンドール先生。 足を挫いてしまって足が痛むようでしたら無理して立ち上がる必要はないですからね。 ゆっくりと横にずれて、座っていてください。 直ぐに立てないって事は僕に心配かけまいとやせ我慢をしているんでしょう? でも、俺の為に無理して余計に挫いた足が悪化してしまった方が俺は嫌だな……」
「──そ、そそそそそ、そうだな。 ク、クククク、クロードにはお見通しだったようだな。 じ、じじじじじ実はクロードの言う通りバランスを崩してしまった時にどうやら私は足を挫いてしまったようだ。 生徒に迷惑をかけてしまうだなんて、これでは先生失格だな」
あ、危なかったぁぁっぁぁあああああっ!!!!
思わず男性と二人っきりという特殊な空間で変なテンションになってしまい、あのままクロードきゅんを襲ってしまう所だったっ!!
私の事を気遣ってくれていたクロードきゅんに比べて私はなんてダメな大人なのだろう……。
本当に、これではクロードきゅんと付き合うだの子作りするだの、私にはそんな資格も無ければ先生失格である。
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