第161話 非戦闘モードのクロードきゅんの聖剣
そしてクロードきゅんに嫌われてしまう事と、小作りする事を天秤にかけて頭の中で自問自答を繰り返していたせいで足元を見ていなかった私は、床に転がっている拳ほどの大きさのボールを踏んでしまったようである。
そして当然こんな状態でボールを踏んでしまってはバランスを取り体制を立て直す事などできよう筈も無く、そのままクロードきゅんの方へと倒れ込んでしまうではないか。
「あいたたた……っ。 く、クロードきゅn……んんっ!! ク、クロードっ! 大丈夫かっ!? 申し訳ないっ! 足元にあったボールを踏んづけてしまったようだっ!! まったく、片付ける時はしっかり片付けろとあれ程言って聞かせていたのにあいつらときたら……っ」
「いたたた……っ。 お、俺は大丈夫です。 むしろカレンドール先生の方こそ大丈夫ですか怪我とかしていないですか?」
「わ、私は大丈夫d…………っっ!?!?!?!?!?!?」
こんな状態であるにも関わらずクロードきゅんは私の事を気遣ってくれる……その優しさがただでさえ締め付けられて苦しい私の胸が更に締め付けられる。
そして、そんなクロードきゅんの事がますます好きになってしまったその瞬間、私は起き上がろうと体重をかけた左手になにやらもっこりとした柔らかい何かを触ってしまっている事に気付いてしまう。
こ、これって……、あ、ああああああ、あれだよねっ!?
そして私は口から心臓が飛び出すのでは? と思えるほど心臓が暴れる中、ゆっくりと視線を下の方へと移していくと、私の左手は非戦闘モードのクロードきゅんの聖剣がある股間の上に置かれており、そしてそれは、私は起き上がろうと先ほどまでその股間に自分の体重を乗せていたという事である。
ひゃぁぁっあっぁっあっぁっ!?!?!?!?
「俺はこの通り問題ないですからそんな深刻そうな表情をしなくても大丈夫ですよ。 むしろカレンドール先生の、嫁入り前の身体に傷がつかなくて俺の方がホッとしています…………って、この世界でこの表現方法は失礼だったかも? まぁ、悪気は無かった訳だし怒られたら誤れば許してくれるだろう」
へ? あっ? よ、嫁っ、嫁っ、嫁入り前……っ!? ひぃっ、ひぃっ、ちょ、こ、呼吸が……っ や、やばいっ。 後半何かまだ言っていたような気がしたのだが、その前にクロードきゅんが私に向かって『嫁入り前の身体に傷がつかなくて良かった』と確かに言っていたわ……っ!!
あへっ、た、短期間で股間に嫁入り前にときては私の精神がもたない……っ!! あ、あひぃ……っ。
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