第159話 排卵日もしっかり確認
「どうした? クロード」
「いえ、なんでもございません」
そう、俺は何を怖がっているんだ。
体育倉庫という事は、普通に考えれば重たい荷物を運んで、体育館に設置して欲しいという事なのであろう。
それこそマット一つとっても女性の体力では持ち運びするのはかなり厳しいだろうし、そもそも体育倉庫というだけでカレンドール先生を疑うのは、それはいくらなんでも失礼というものだろう。
俺がカレンドール先生を信じてやらないでどうするっ!!
そして俺は意を決して体育倉庫の中へと入って行くではないか。
◆
あれ? ひょっとしてこれって上手くいきすぎているのではなかろうか?
どどどどどどど、どうしようかしらっ!?
私のシミュレーションではニーナとひと悶着起こすもクロードきゅんからニーナを剥がす事ができず、一緒にここまでついて来るであろうから、先にクロードきゅん、ついで私が体育倉庫へ入った瞬間に中から鍵を閉めてニーナとクロードきゅんを隔離させるつもりであった。
その作戦の為に私は少し前からこの体育倉庫を改良してきており、中から鍵を閉める事ができるようにし改造し、中の音が漏れ出ないように結界を張ってきているのである。
特に音が漏れないようにする結界は五種類もの結界を五重に張り、そして解術されないように対策もばっちりである。
そして、なんでこれ程までに音漏れの対策をしてきたかというと……せ、せ、せっくs…………きゃっ、これ以上は恥ずかしくて妄想といえども言葉にすることは出来ないわっ!!
つ、つまりそういう事であり、今日私の初めてをクロードきゅんに捧げるつもりなのである。
そしていざ決行日当日。
私が想定してきていた通りニーナは流石に噛みついて来たのだが、ここで私の想定していないイレギュラーが起きたのである。
なんとあのクロードきゅんが私の事を庇ってくれたのだっ!!
これって、そういう事で良いんだよねっ!? クロードきゅんっ!!
クロードきゅんは私の事が異性として好きって事で良いんだよねっ!!
先生期待しちゃって良いんだよねっ!?
あぁ、嬉しすぎて下腹部がきゅんきゅんしちゃうっ!!
そこからの私は上の空で、ふわふわして夢心地であったのだが、いざ体育倉庫前まで来たところで一気に現実に引き戻される。
わ、私……今からこの体育倉庫でクロードきゅんと事を致すのよねっ!?
想像したら一気に緊張して来ちゃった……。
緊張しすぎて一歩踏み出すのも億劫になってしまう。
しかし、今日私はクロードきゅんと最早都市伝説とまで囁き始めている古の子作り方法であるせっくs………………交尾を致すのよねっ!! 大丈夫、排卵日もしっかり確認を取って今日にしたんだからっ!!
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