第153話 絶妙な塩梅
それは、前世の知識と価値観がある俺からすればまさにパラダイスといっても過言ではないのだが、それは女性たちが理性を保っていられているからであり、その絶妙なバランスを維持する為に俺も女性たちからのアピール(誘惑)に流されてはいけないという事でもある。
もし俺が女性たちのアピールに流されてしまった場合は『クロード様に嫌われるかもしれないから大人しくしておこう』という鎖が無くなった状態となり、自信を抑える鎖が無くなった猛獣たちは間違いなく学園中の生徒が俺に『私にもチャンスがあるかもっ!!』と俺に殺到し、もみくちゃにされてしまうであろう。
なんならその勢いで拉致監禁または最悪その場で取り押さえられて逆レイプなんて事も普通に想像できるのが恐ろしい。
そしてそれが学園内だけの話であればまだ良い方であり最悪街中の女性たちが俺を探し始める始末になってしまうかもしれないのである。
その恐怖が俺の理性を強固の物にしてくれているからこそ、俺は今までどんな誘惑にも耐えしのいで来れたのである。
もしその恐怖が無ければ俺は間違いなく大人の階段を上りまくって、ただれた生活を送っていただろうことが容易に想像できる。
しかしながら、それでも俺は男性であり人並みに性欲はあるので、この猛獣たちに気づかれないように一人で自家発電をしなければならないというミッションもある為、そのミッションを、ニーナを含めた使用人に見つかった事を考えるとなかなかに恐怖を伴った行為である。
それでも自家発電をするのが男というものである。
なので俺はこの世界でまず気配を隠す魔術と隔離する結界魔術を覚えていたりする。
もし使用人が結界魔術の存在に気付いたとしても、それだけでは中で俺が何をしているのか分からず、更に結界魔術の内側で何をしているのか察知できるようになったとしても気配を消している為結局分からないという二重の構えである。
ちなみに自家発電のオカズなのだが、この世界ではおかずに事欠かない(基本的に女性は男性の目を気にしていない為無防備であり、更に俺に対してはアピールしてくるため)ので、その点は転生したての頃は男性用のエロ本やそういった物がないのではないかと危惧していたのだが、その心配はないと知って安堵したものである。 その分理性を保つ事が難しくなったのだが、それは恐怖で抑える事ができるという絶妙な塩梅で俺の平和は成り立っているのである。
だからこそ、今テーブルを挟んで俺と一緒に朝食を食べているジュリアンナというイレギュラーが周囲にどのような変化を与えるのか、今から注意して行動しなければならないであろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます