第149話 がんばれ俺っ!!
そもそも俺のパンツを嗅ぎながら涎を垂らし、泣いている光景を見ると普通にヤバい薬をキメてしまっている風にしか見えないのだが……。
普通に引いてしまうのは仕方がないのだが、引いていることがバレてしまってはそれはそれで面倒臭そうなので表に出ないように笑顔を張り付けて隠し通さなければならない。
それが普通に難しいというか想像以上に気持ち悪い……ではなくて、予想以上の反応に思わず巣が出てしまいそうになるのを寸前のところで何とか耐えて我慢している所である。
とりあえず、未だに俺の下着を嗅いでトリップしているアリアを視界から外して、皆に気付かれないように深呼吸をしてなんとか精神を安定させると次はニーナである。
流石にニーナに使用済み洗濯前の俺のパンツを与える事はできない、というかアリアに渡してしまっているので渡す使用済み洗濯前のパンツが無いので他の物で代用しようと考えてみたのだが、使用済み洗濯前のパンツと同等にキモイ、ではなくてインパクトがある物が思いつかなかったので俺は考えるベクトルを変えることにした。
そもそも物で考えるから見つからないのである。
なので俺はニーナに対しては行動で示す事にする。
「では次はニーナの番だな」
「は、はひぃっ!!」
そしてとっととこのカオスなイベントを終わらすべくニーナを呼ぶのだが、何故かニーナはド緊張しており、目は血走っている上に呼吸は荒く、涎がたれてジュルリと飲み込むではないか。
もうこの時点で俺はドン引きなんだが……。
しあしながらやらなければ終わらないし、やっぱりキモいから嫌だと断ってしまうと後が物凄い大変な事になる事くらいは想像がつくためここは流石の俺も腹を括る。
「そんなに緊張しなくても良いから。 とりあえず俺の近くに来てくれないか?」
「は、ひぃぃっ!! い、いましゅぐにいきましゅ……っ!!」
そしてもう既にトリップしかけていそうなニーナを俺の近くまで来るように優しく呼びよせる。
目が血走っておらず涎が垂れてなく呼吸も荒れていなくジュルリと涎を吸う事もなければ凄く可愛いのになぁ、と俺は死んだ魚のような目でニーナを見る。
目を細めて耳から得る情報を遮断すれば可愛いものじゃないか。 がんばれ俺っ!!
「ひゃぁぁぁぁああっ!!!!???? ろ、ろーれんしゅしゃまっ!? あひぃぃいいいっ!!?? だ、だめれしゅぅぅぅううゅ!! らめぇぇぇええっ!!!」
そして俺はすぐ近くまで来たニーナをぎゅっと抱きしめて頭をなでなでと撫でてあげる。
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