第148話


 貞操帯までは百歩譲ってアリであったとしても、その貞操帯の鍵をニーナが持っているという事がヤバ過ぎるのである。


 もしそうなってしまった場合は、間違いなく俺の射精管理・・・・までしてくるであろう。


 射精管理をニーナがする。 その言葉だけでいかにヤバい事なのか一目瞭然であろう。


 むしろヤバいという言葉だけで終わらして良い問題ではないのだ。


 もちろん、それだけではなく俺のお母様にある事無い事吹き込むのも、それだけでもとんでもなくヤバいのだが、射精したければニーナにその旨を申告しなければならない時点で思春期の身体を持つ俺からすればそれだけで拷問(結界魔術などを駆使して若さゆえに溢れ出る性欲を今まで誰にも気づかれずに処理してきたのだが、その性欲を処理する為にはニーナの承諾が必要とかどんな拷問だよ)なのだが、ここからさらに貞操帯の鍵を渡す代わりに色々な要求をニーナからされる可能性だってあるのだ。


 どんな要求をニーナからされるのか想像しただけで地獄である。


「はぁーー…………っ。 今回だけだからな? アリアと一緒にニーナも後で俺の部屋に………ん?」


 そこまで言ったところで、視線を感じたので、そちらの方へ向いてみるとジュリアンナが捨てられた子犬のような目線で俺の方を見つめているではないか。


「ジュリアンナも来るか?」

「は、はいっ!!」


 そして俺は頭痛で頭を押さえながらこの場を後にするのであった。





「それではアリア、これが先ほど脱いだばかり、そしてもちろん洗濯もまだしていない俺の下着だ」


 あの後十分後にアリア、ニーナジュリアンナに俺の部屋へと来るように伝え、今ちょうど全員そろったのでまずはアリアに俺の脱ぎたてのパンツを渡す。


 ちなみに今の俺は当然着替えており新しいパンツをはいている。


「ふぉぉぉぉおおおっ!! こ、これが、クロード様の使用済み洗濯前のパンツ……っ!! し、しかも脱ぎたて………すぅぅぅぅぅうううううっ!! 糖度と酸度のバランスが良く、軽やかでフルーティーな仕上がり。 出来が良く、豊満で絹のように滑らかな味わいの出汁がきっと取れる事でしょう……。 いまから既に楽しみで仕方ありませんっ!! ありがとうございますぅぅぅうっ! ありがとうございますうぅぅぅううっ!!」


 なんだろう、ボジョレヌーボーか何かだろうか? というかアリア『ありがとうございます』と言いながらバレないと思って俺のパンツを嗅いでいるのバレバレだからな? というかこれ普通にセクハラとして訴えても良いよな?


 

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