第143話 目が合うと妊娠してしまう
俺がジュリアンナが急遽泊まることによって食事がジュリアンナの分も作る必要ができたことを厨房の料理長に伝えてくると言うと、ジュリアンナも一緒に行くと言うではないか。
「いや、流石に客であるジュリアンナにそんな事させることはできないだろう?」
「それは違うわね。 客というのはあらかじめ来る日と時間を決めて訪れる者を指すわ。 そして私は急に訪れたのだから客ではなくクロード様の住んでいる別荘に押しかけた人にすぎないわね」
「…………押しかけた人って……。 分かったよ。 一緒に言いに行こうか」
流石に客であるジュリアンナにそんな事をさせる訳にはいかない為一応断ったのだが、それでもなおジュリアンナは引き下がろうとしないので、こんな事で嫌な気分にさせてしまうよりかは良いだろうと判断した俺はジュリアンナも一緒に伝えに行く事に了承する。
「私も行きます」
そして俺とジュリアンナが話している内容を聞いていたニーナが俺たちと一緒に行くと言うので、仲間外れにさせるわけにもいかず結局三人で厨房へと向かうこととなった。
まぁ別にジュリアンナが急遽泊まる事になったから晩御飯は一人分多く作ってもらうように言うだけなので、俺一人じゃないとダメとかいう訳でもないので三人で行こうが関係ないのだが。
「きゃぁーーっ!! クロード様よっ!!」
「本物だっ!! やっぱり実物は写真よりもカッコいいわっ!!」
「あ、好き……」
「やばい、目が合うと妊娠してしまうかもしれない……っ」
そしてそんなこんなで厨房へと続く扉の鍵を開けて厨房へと入ると、まず初めに黄色い声が俺の耳に聞こえて来るではないか。
ちなみにこの黄色い声の人たちはここ帝都で新たに雇っている厨房のスタッフ、いわゆるパートさんたちであり、だからこそ俺と接点欲しさに抜け出さないように厨房への扉には鍵がかかっていたのである。
「皆さんお静かにっ!! ……それで、クロード様。 本日はどのようなご用件で?」
そんな新たに雇ったパートさんたちを一言【お静かに】と言うだけで騒がしかった厨房が一気に静まりかえる。
流石厨房の纏め役であるアリアと言わざるをえない。
そして、厨房が静かになった事を確認したアリアは、俺に厨房へ来た要件があるのでしょう? とここへ来た要件を聞いてくれる。
流石アリアだと思う反面、アリアもまた俺の側仕えを決める時に俺の洗濯前の下着とかを盗み出して舐めたり嗅いだり、最終的には舐めたり嗅いだりしまうだけではなく頭に被ったりした結果、ニーナに負けて脱落したというのが嘘に見えるくらいてきぱきと仕事をこなしているのが見える。
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