第137話 お母さんは何になるのかな?
は? 今妹のキアラは私になんて言った?
「誰がクソババァだっ!? 誰がっ!? あんたと私は一歳しか歳は離れていないでしょうがっ!!」
そもそも一歳しか歳が離れていないにも関わらず『私の方が若いから』などというのが通用するわけが無いだろうに。
むしろ一歳若い妹よりも同じクラスである私の方がどう考えてもアドバンテージは上なわけで、その事を考えればむしろ妹よりも一年早く産まれて来て良かったといっても過言ではない。
一年早く産まれたからこそ私はクロード様と同じクラスメイトとなり、こういて放課後デートができるという奇跡みたいな、夢のような体験ができたのだから。
「は? 私よりも歳を喰っているのは覆しようのない事実なんですけどー? そしてお姉ぇは確かに私より一年早く産まれたからこそクロード様と同じクラスメイトになれたのかもしれないし、それは物凄く羨ましいのも確かなのだけれども、所詮は私へクロード様を引き合わせる為の引き立て役に過ぎなかったという訳だったという事よっ!! そしてお姉ぇよりも一歳若い私とお姉ぇを見比べて、如何にお姉ぇが年老いたクソババァであるかという事が分かるに決まっているわっ!! だから合わせなさいよっ!!」
「はぁっ!? だから誰がクソババァよっ!?」
「はー、うるさいなぁ。 そもそも私はお姉ぇの事を一言もクソババァなんて言ってなかったのに初めにお姉ぇの事をクソババァって言い始めたのはお姉ぇじゃんっ!! まぁでも、実際にお姉がクソババァなのは間違いないけど」
そして妹は勝ち誇ったかのようにそんな事を言うではないか。
過去の私に『将来妹と一歳の歳の差で言い争う』と言っても信じてくれないだろう。
私自身じつにくだらない内容であるとは思うものの、クロード様との相性が、その一歳の差で妹の方が上であり、クロード様も私よりも一歳若い妹の方を選び、私の事をクソババァであると思うなど、流石の私も看過できないためここはしっかりと、クロード様の誤った内容がこれ以上広まらない為にも否定する。
「あ、あおのー……」
「なに? どうしたの? ミリア」
「お、お二人のお母様が後ろの方にいらっしゃるのですが…………」
そして私はミリアが指さす方向へ目線を向けると、鬼と見間違うほどの怒気をはらんでおり、血の涙を流しながら私と妹を見つめているお母様の姿が目に入って来るではないか。
「良いわね二人とも。 クロード様とお付き合いするしないで言い合える年齢で……ちなみにキアラ、お姉ちゃんがクソババァならお母さんは何になるのかな? よかったら教えてくれないかしら?」
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