第133話
「ちょっ、こらっ! 止めなさいっ!! くすぐったいから止めなさいっ!! あははははっ!! やめっ、やめっ、ひーっ、ひーっ」
「は? やめる訳がないでしょう? 妹に隠し事しているお姉ぇが悪いんじゃんかっ。 あの日私に『可愛い可愛い私のスウィートスウィートマイシスターであるキアラにはお姉ぇは絶対に隠し事はしませんっ!!』って誓ってくれたのは噓だったのっ!? そんな事無いよねぇっ!? おお姉ぇちゃんはちゃんと言ってくれるもんねっ!? ほれほれほれ、早く言わないとこのくすぐり地獄から抜け出せないんだからねっ!!」
「言ってないっ!! そんな事は言った覚えがないっ!! これは捏造っ!! だからっ、止めっ、あはははははっ!! お願いだからっ、止めてっ!! ひーっ、ひーっ」
そして妹はそう言うと私の脇腹を中心にくすぐりはじめるではないか。
しかも私が過去に『妹には隠し事をしない』という約束をしたという嘘までついてである。
このままでは窒息で死ぬか、笑いすぎて死ぬかのどちらかしか無い。
ちなみに何があったのかを、クロード様と放課後デートした事を言うとどういう反応を妹がするのか予測が全くつかないので、何があったのかを素直に妹へ教えるという選択肢はない。
もしかしたら私がクロード様と放課後デートをした事を知ってしまうと妹はショックのあまり死んでしまう可能性だってあるのである。
私は妹であるキアラの姉であるのだから、妹に危険が及ぶ可能性がある事は避ける事が出来るのならば避けるべきであろう。
「キアラァァァァアアアアッ!! キアラキアラキアラァァアッ!! あんたのお姉ちゃんがあの今話題のクロード様と放課後デートをしてたよぉぉぉおおおっ!! クレープを食べさせ合いっこしてたんだけどぉぉぉおおおっ!!!!」
そんなこんなで妹からのくすぐり攻撃に耐えていると、恐らく母親が勝手に上げたのだろう妹の友達が私の部屋へと(私の声と、妹の声が廊下聞こえており、妹は私と一緒に私の部屋にいると判断したのであろう)ノックもせずに勢いよく入ってくると開口一番とんでもない爆弾を爆発させやがるではないか。
「え? お姉ぇ? 本当? いや、流石に嘘よね。 お姉ぇがあの超絶イケメンのクロード様と放課後デートをするだけならばまだしもクレープを食べ合いっこ? え? なんで? 流石に嘘だよね? お姉ぇ? ねぇ、なんで目を逸らすの? 私聞いてないんだけど?」
「いやだって、言ってないし? それに妹の友達の見間違いで別の人かもしれないし?」
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