第124話 ほら、クロード様の使用済み洗濯前の下着よっ!!

「おいしい? オリヴィア」

「むぐむぐ……そうですね、これはこれでとてもおいしいわ……ね? あれ? 今私何をして……。 た、たしかクロード様があーんをしてくれたクレープを、しかもクロード様が食べかけの個所を食べて間接キスをしてしまった? へ? あわわわわわっ!?」

「お。落ち着けオリヴィアッ、ほら、どうどう」

「ひぃぃぃいっ!? 私今軽くクロード様に軽く抱きしめられている上に背中をポンポンされているっ!? はうっ……」


 うーん、さすがにこの世界の女性であるオリヴィアからすればさすがにこうも立て続けに放課後デートから手を握り、『あーん』で食べさせ合い、間接キスからのハグは刺激が強すぎたようだ。


 とりあえず、オリヴィアが落ち着くまで、そして男性である俺とのスキンシップに慣れるという意味でもハグをしながら様子を見ようと思うのであった。





 何なのかしらっ!? 何なのかしらっ!? 今日一日ずっとクロード様を尾行しているのだけれども、まるでお伽噺や都市伝説でしか聞いたことがない恋人同士のような甘い時間を過ごしているではないか。


 はっきり言って物凄く羨ましいし、できる事ならば今すぐにでもオリヴィアさんと私の立場を変わって欲しいと強く思うほどである。


 もし以前の私、ニーナさんから心の持ちようを教えてもらっていない私であれば間違いなく突撃をかましていたであろう。


 しかしながらここで焦ってはいけないのである。


 嫉妬心で忘れてしまっており、ニーうまく私の心にある嫉妬心のコントロールをすることができるようになり正気になれたからこそ私は一つ分かったことがある。


 それは今嫉妬心に駆られて突撃した場合、私は間違いなくクロード様と結婚できる六席のうちの一席には座ることができなくなる可能性が非常に高いという事である。


 たった一度の嫉妬心で未来のし合わせを私は手放すことになったのだと思うとぞっとする。


 これに関してはニーナさんに感謝である。


 そう思いながら私は横にいるニーナさんへ視線を向けると、幸せ絶頂といった表情で倒れているではないか。


 嫉妬心に満ちた表情で倒れるのであれば分かるのだがなぜニーナさんは幸せに満ちた表情で倒れているのか私には少しばかり理解に苦しむ。


 しかし今はそんな事よりも周囲の視線が痛いので一旦ニーナさんが倒れた原因は置いておいて覚醒させることにする。


「ニーナさんっ! しっかりしなさいなっ! ほら、クロード様の使用済み洗濯前の下着よっ!!」

「はっ!? クロード様の洗濯前の下着の匂いがしますっ!!」

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