第122話 キスをしちゃうかも?
「うん、オリヴィアのいちごクレープもなかなか美味いじゃないか。 これはチョコバナナクレープとは甲乙つけがたいな」
そして俺はいちごクレープのクオリティーの高さに驚きつつもオリヴィアの顔を見るとまるで鯉のように口をパクパクしながら固まっているではないか。
「か、かかかか、間接キス……っ。 クロード様が私の食べかけをそのままかぶりついて食べたという事はクロード様は私と間接キスをしたという事は間違いないわけで……。 いったい今日一日だけで都市伝説だと今まで思っていた事が現実に何回起こっただろうか。 しかもすべて私絡みで……っ」
とりあえず様子を見てみるとどうも俺がオリヴィアと間接キスをしたという事実にオリヴィアの脳が処理しきれていないらしく、フリーズしているだけのようである。
ちなみにあたりを見渡すと『か、かかかかかかかかか間接キス……だとっ!?』「羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい羨ましいっ!!』『できることならば今この瞬間を彼女と立場が入れ替わりたいっ!! そういう魔術がこの世界に存在しない事が悔やまれるっ!!』『畜生っ!! なんで私ではなくて彼女なんだよっ!? え? 彼女? いやいや、そんなまさか……彼女というポジションだなんて所詮は都市伝説でしょ? え? でもこれってどう見てもデートでは? デートという事は、あの二人はカップルである可能性が極めて高く、そしてカップルという事は彼女彼氏の関係であるという事であり……不公平感しか感じないんだけど……?』などという様々な声が聞こえてくるのだが、こういう声は今に始まったことではないのでスルーが安定だろう。
ここでわざわざ反応してしまって変なトラブルに巻き込まれでもしたらせっかくのオリヴィアとの放課後デートが台無しになってしまう為それだけは何としてでも回避するべきであろう。
そんなこんなで周囲から聞こえる声は無視をしつつオリヴィアを見るといまだに現実を受け入れる事が出来ずに戻って来れてないので流石にこのままでは日が暮れてしまうというわけでオリヴィアを現実世界へ引き戻すことにする。
「おーい、オリヴィア? 戻って来いっ。 戻ってこないと悪戯しちゃうぞー? なんなら胸を揉んじゃうかもしれないぞ? それともキスをしちゃうかも?」
「き、ききききき、きすっ!?」
そしてどうやら間接キスという言葉つながりでキスという言葉には今現在オリヴィアは敏感に反応するようになっていたようで『キス』というたった二文字の言葉で帰って来れたようで一安心である。
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