第119話 ……ギルティ
「ど、どどどどどっ、どう言う関係ってっ!? …………はわわわわっ!? も、もしかして今の私のくロード様ってカップルに間違われているのだろうかっ!? あぁ、もう勘違いされるだけでもう嬉しすぎて一生の思い出になっちゃうレベルで嬉し過ぎるんですけどっ!?」
そして俺のとなりのオリヴィアはというと、店員さんの質問によって妄想の世界へ旅立ってしまった事が怒涛の独り言によってバレバレである。
これ、流石に教えてあげた方がいいような気もするし、その時のオリヴィアの反応を見てみたいという欲求に負けそうになるのだが、そのことを言ってしまうともうオリヴィアの独り言を聞けなくなってしまう可能性があるのでグッと堪える。
今日だけでも言いたい欲求と、その結果聞けなくなる可能背があるデメリットとの狭間で何度揺れ動いた事であろうか。
しかしながら流石にオリヴィアが自分で気づくまでは俺はこれを堪能したいのでグッと我慢である。
そして今はそのことよりも店員さんへの返答である。
「そうですね。 俺は今日この日でもっと彼女とお近づきになれればいいかなって思ってますね」
俺は少し照れた演技をしながらそんな事を言う。
それはまるで他人が見ると俺がオリヴィアに恋しており、今日は好きな異性であるオリヴィアと放課後デートをしてオリヴィアの心を射止めようとしているようにしか見えないだろう。
「…………ギルティ……」
そんな青春を謳歌していますといった俺の返答に店員さんはボソッと何か呟いたような気がしたのだが気のせいだろうか?
この世界では異性との淡い甘酸っぱい恋の思春の一ページを刻むという事はもはや都市伝説レベルであり、都市伝説だと、この世にはそういうキラキラした世界はないんだと思う事によって心のバランスを保っている所があるのだが、そんな所で俺とオリヴィアがその都市伝説だと思っていた淡く甘酸っぱい恋の青春の一ページを刻んでいるのを見てしまった店員さんの心情を考えれば、流石に可哀想になってくるのでフォローを入れることにする。
これからもここのクレープ屋を利用したいし、わざわざマイナスの印象を与える必要もないだろう。
「あ、でも店員さんも可愛いですね」
そして俺はそんな軽い言葉を吐いた後に、優しく笑い笑顔を店員さんに向ける。
「はうぅっ!! イケメンが私だけに笑顔を向けてくれるだなんてっ!! セーフッ!! 私にももしかしあらチャンスがあるかもしれないのでセーフセーフよっ!! クレープも大サービスしちゃうっ!!」
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