第112話 神に祝福されている
「じゃ、じゃぁ……私セイム川のボートに乗りたいっ!! だめかな? ………………た、確かセイム川のボートに二人で乗ると、片思いの場合はその恋が成就して、両想いであれば永遠にその愛は色褪せずに紡がれていくって昨日読んだ恋愛小説に書いてあったからここは何としても行かなくてはっ!!」
昨日恋愛小説で読んでいた小説にセイム川でのボートのジンクスが書かれていた事を思い出す。
そう、こんな良いタイミングでピンポイントな事が書かれた小説を読んでいたなんて、まるで神からクロード様と付き合えと言われているようではないか。
言い換えれば私のクロード様に対する片思いは神に祝福されている間柄であると言えよう。
もうここまできたら後はもう行くところまで行くだけである。
「セイム川でボートか、ボートはあまり乗ったことはないし乗っても漕ぐのは側仕えであるから確かに自分でボートを漕いで川を俺の進みたいように進むというのは面白そうだな。 じゃぁクレープ食べた後はボートにしようか」
「は、はいっ!!」
そしてクロード様の反応からして私が純粋にボートを乗って楽しみたいのではなく、クロード様との片思いを成就させる為にボートを選んだとは思っていないのだろう事が窺えてくる。
その点に関してはほんの少しだけ申し訳ないとは思うのだが、それでもクロード様と両思いになるのならば安いものだろう。
それに、そんなジンクスなど関係なくてもクロード様とボートに乗りたい気持ちは嘘ではないのだし。
というか、クロード様と一緒であればどこだって嬉しいというだけなのだが、嘘では無いので問題はないだろう。
私からしてみればクロード様とこうして会話をするだけでもものすごく嬉しいのだ。
それこそどこにもいかずにこうして立ち話をして時間を潰すというのでも全然嫌じゃないし、むしろ門限ギリギリまで立ち話したい。
欲を言えば立ち話もいいけれども公園のベンチで座りながらイチャイチャとかできればより良い。
立ち話ではできない身体を接触させながら話すという事ができる。 例えば肩と肩をくっつけて喋るとか、膝枕なんかもできちゃうかもしれない無限の可能性をベンチで座って喋るというのは持っているので妄想が捗る事は間違いないだろう。
そんな事を思いながら私はクロード様と恋人繋ぎをしながらクレープ屋に向かうのであった。
◆
相変わらずオリヴィアの心の声がダダ漏れで、なんだかこっちまでなんだか恥ずかしい気持ちになってきてくる。
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新たにカクヨムコンテスト用に作品を連載し始めましたので、面白そうだな、と思った方はブックマークしていただければ嬉しく思います٩( ᐛ )و
タイトル
● 異世界にゲームのキャラクターで転生していた事に気付いたので邪魔する奴はぶん殴る事にする
キャッチコピー
● 俺のやりたいように生きようと思います
あらすじ
● いままで両親や弟、婚約者までにも見下され馬鹿にされ罵倒される生活をしてきた主人公は、ある日自分が前世でプレイして丹精込めて育ててきたゲームのキャラクター(アバター)で転生した事に気づく。
当然ゲームで俺が育てたキャラクターは今の世界ではたとえドラゴンが相手でも簡単に倒せるステータスであり、これからは俺のことを邪魔するやつは問答無用でぶん殴ってやる(武力で解決)と決心するのであった。
何卒よろしくお願いします(土下座
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