第111話 ヤバイヤバイ

 でも、舐めれるのならば舐めたい。


 何なら靴を舐めたついでにクロード様に忠誠を誓いたい。


 そこまで妄想したところで私は強制的に妄想するのを止める。


 流石にまた自分の世界へ入り込んでしまってはクロード様も愛想尽かして帰ってしまうかもしれないのあそこで妄想を止める事ができた私を褒めてやりたい。


 あのまま妄想し続けていたら間違いなくまた妄想世界の奥深くへ行ってしまったことは間違いないだろう。


 しかし今は妄想よりも現実の方が上回ってしまっているのだからむしろ妄想する時間が勿体無いのだ。


 なんせ今この時間はあのクロード様との放課後デートなのだから。


 なんせ今この時間はあのクロード様との放課後デートなのだから。


 大事な事だから二回言ったのだが、そう、クロード様との放課後デートなのである。


「そ、それでクレープを食べた後はどこにい、い、行こうか? せっかくのほ、ほほほほ、放課後デートなのだから、で、ででで、で、デートらしい所に行ってデートっぽい事をしてみたいんだけど? …………わ、私ってなんて大胆なのかしらっ!? 恥ずかしさと緊張で噛みに噛みまくったけど何とか言えたぅ!! 言って終えばこっちのものよねっ!! 頑張った! 私っ!!」

「うーんそうだな……逆にオリヴィアはどこか行きたい所とかあるか?」


 そして私はこの、もう二度と訪れないかもしれない奇跡の一日を明いっぱい楽しむ為に持てる勇気全てを使ってクロード様へクレープを食べた後はどこへ行くのかを聞いてみる。


 もし万が一クレープ食べて終わりだなんて、そんなの勿体無さすぎるし、きっとこの時何もしなかった場合一生後悔しそうだったと思ったら噛みながらも何とか私はクロード様へ聞くことができた。


 例えクレープをクロード様と一緒に食べるだけだったといても私にとっては一生の宝物になるだろうし全世界の女性からは大金叩いてでも代わって欲しいと願うシチュエーションであるという事は重々承知なのだが、だからこそそれよりもさらに充実したデートができる可能性があるにも関わらず何もできないままでクレープを食べてそのまま帰ったとなれば、それはそれで一生後悔するであろうことは容易に想像することができた。


 恥は一瞬後悔一生である。


 そして、噛みまくりで何を言っているのか怪しい私の問いにクロード様はお腹の下腹部がキュンキュンしそうな(というかした)笑顔で『オリヴィアならどこに行きたい?』と聞いてくるではないか。


 あぁ、これはなんかこのやりとり恋人っぽいっ!! ヤバイヤバイッ!! 

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