第110話 クロード様の靴を舐める

「あわわわわわわっ!?」


 そしてクロード様は放課後どこかへ寄り道をする理由を、私が今日クロード様と一緒に帰る事を『放課後デート』と言っていたからであると言うではないか。


 全くもってそんな事を言った記憶はないけれど、しかしながら意外と言っていたような気もする。


 しかしながらそんな事などどうでも良くて兎にも角にも、グッジョブッ!! 少し前の私っ!!


 しかしながらクロード様と放課後デートというだけで本当に死んでしまうのではないかという恐怖も感じてしまう。


 でもその恐怖心なんかよりも比べものにならないくらい多幸感に包まれて、そんな少しばかりの恐怖心なんかどうでもよく思えてくる。


 そもそも恐怖心が多幸感よりも上回ったところでクロード様との放課後デートに行かないという選択肢は無いのだけれども。


 例え死んでも私はクロード様との放課後デートは行く。 片足が千切れてしまっても、這ってでも行く。


 その判断に揺るぎは微塵もない。


 そして私はクロード様と放課後デートであんなことやこんな事をするんだ。


 それこそ一緒にクレープを食べたり、あ、あ、あ、あーんなんてしてお互いに食べさせ合ったりしてっ!! きゃぁっ!! だめだめっ!! そんなっ!! クレープをあーんするのを妄想しただけでた私の心臓が耐えられそうにないんだけどっ!!


「どうした? やっぱり俺と放課後デートは嫌だったか?」


 そして私が妄想を爆発していたのをクロード様が『本当は私はクロード様と放課後デートしたくないんだ』と勘違いしてしまったようである。


 流石にやばいのでそれはクロード様の勘違いであり、私はクロード様との放課後デートをしたいというのを伝えなければっ!!


「嫌じゃないですっ!! それはもう全然全くこれっぽっちも嫌じゃないですっ!! 私が本当に嫌じゃないというのを証明するためにクロード様の靴を舐めましょうかっ!?」

「あ、大丈夫です。 靴を舐めるのはちょっと……。 うん。 ちゃんと信じるから、ね? 放課後デートもちゃんとしようね?」

「…………は、はい」


 穴があったら入りたいっというのはこの事を言うのだろう。


 絶対にさっきのクロード様の反応は、私に引いてた反応だよね……。 確かに、流石にクロード様の靴を舐めるとか、無いわ私。


 そ、そりゃ確かにクロード様の靴であれば舐めたいしむしろご褒美ですらあるのだが、それはあくまでも私の感覚であてて普通は靴を舐めると押し気味で言われたら引いてしまうということは少し考えれば分かる事なのに何で私は大事なところでこうも簡単なミスをしてしまうのか。


 私だってクロード様だから舐めたいだけで他の女性の靴は舐めたくないし、舐めたいと言われたら普通に引く。

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