第84話 今から楽しみ
「はぁっ!? 何を言ってんだよっ!? 男性である俺にそんな事を言ってもいいとでも思っているのかっ!? 憲兵に有る事無い事言ってお前を犯罪者にしてやっても良いんだぞっ!? 今までこんな失礼な対応をされたことが無かったから実際に憲兵に有る事無い事言って犯罪者でっちあげた事なんかは無いんだが、男が過保護なくらいに守られる帝国の事だ。 例えお前たちが違うと言った所で証拠がなければ全て俺の作り上げた嘘が真実になるに決まっているんだからなっ!! この帝国、いや、他国であっても男はいつも守られる存在なんだよっ!!」
そして俺は、目の前の偉そうなババアに現実を突き付けてやる。
所詮このババアは金目当てで近づいただけなのだから、もう捨てても良いだろう。
金なんて俺が身体を売れば幾らでも稼げるからな。
ただ、その場合は女どもの機嫌も取らないといけないのが怠いので、やらないで済むのであればやりたくない。
しかしながらこのババアは俺を怒らしたのでいくら謝っても、土下座をしようが何しようが、俺に楯突いて上から目線で偉そうな口を叩いた事を一生後悔させるまで追い詰めてやる。
「ふーん、あら怖い怖い。 でも、本当に貴方が言うようなことが起これば、ですけれども。 本当にできるかどうか今から楽しみね」
だというのに目の前のババアは俺がこれから何をするのか説明したにも関わらず、俺が説明した内容を理解できていないのか俺を見下したような目線で見ながら煽ってくるではないか。
この態度からもこのババアは俺の説明した内容をちゃんと理解できていない事が分かった。
でなければこんな強気な態度などできよう筈がない。
ほんと、女性というものはつくづく馬鹿な生き物だな。
そんな馬鹿には身をもって体験してもらわないと分からないだろう。
「そういう偉そうな態度が崩れて、涙と鼻水で懇願してくるのが今から楽しみだなっ!! 覚悟しておくことだなっ!!」
「そうね。 今の貴方が本当に男性ならば怖いわね」
「…………あ」
そして俺は意気揚々とこの糞ババアがいる家から出て行こうと玄関へ歩き始めた瞬間、ババアは『今の俺が男性であれば怖い』というではないか。
そして俺は思い出す。 今の俺の性別がダークエルフのアマによって女性に変えられている事に。
「『……あ』じゃ済まないわよ? 今まではアンタが男性だからと我慢してきたし法律を破った行為に関しても何もかも我慢してきたのだけれども、アンタが女性に変わった今、ただで済まないのは貴方の方よ。 それこそ今までの偉そうな態度が崩れて、涙と鼻水で懇願してくるのが今から楽しみだわ。 覚悟しておくことね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます