第78話 ある意味では猛毒
そして花が咲きほこるような満面の笑顔を向けてくるリリアナには悪いのだが『考えてみよう』と言っただけで『子供を作ろう』とは言っていないので少しだけ罪悪感を感じてしまうのだが、それら全ては未来の俺へ丸投げしておこう。
きっと未来の俺がどうにかしてくれるだろう。
それはそうと、かなり脱線してしまったのだが今はダグラスからジュリアンナを守るためにリリアナを呼んでいるのだ。
流石に本題へ入るとしよう。
「それはそうとリリアナ」
「はいっ! 旦那様っ!!」
「…………んん? 旦那様?」
「え? 子供を孕らせてくれるという事は旦那様になっていただけるという事でよろしいのですよね? 流石に孕らせたらそのまま捨てるとか持ってないですよね? その場合はダークエルフの能力でどこまでも追いかけますので心配しないでくださいね?」
「いや、そうかも知れないがまだ俺たちは結婚してないだろう? その時まで『旦那様という呼び名は楽しみの一つとして取っておこう。 後流石に妊娠させてそのまま捨てるとか最低な行為はしないからなっ!?」
「確かにそうですね。 確かにまだ私とご主人様は婚姻関係を結んでいるわけではないですし、それにご主人様のいうように『旦那様』という呼び方は結婚した時の楽しみとして取っておいた方がいい気がしてきましたっ!!」
ガチで俺はリリアナから逃げられないような気がして来たのだが、それら全てきっと未来の俺が何とかしてくれるだろう。 うん。 未来の俺はできる子だと思うから、全て未来の俺に託しても良いだろう。
それに『リリアナとは子供を作る』とは一言も言ってないのでまだ何とかなるだろう。 頼むぞ、未来の俺。
しかしながらまた話が脱線し始めたので先ほどの旦那様云々の件は頭の隅にぶん投げるとして、今一度話をダグラスの件へ戻す事にする。
「話を戻すとして、ダグラスの事なのだが、あいつにバレないようにコレを飲ませる事はできるか?」
そして俺はそういうとリリアナへ紫の液体が入ったガラスの小瓶をリリアナへ渡す。
「何ですか? この液体。 毒……? にしても綺麗な入れ物ですね」
「毒ではないから死にはしないが、ダグラスにとってはある意味では猛毒だろうな。 効果は実際に使ってみてからのお楽しみという事で」
「それはとても楽しみですね。 ご主人様がそこまで言うのですから、それこそダグラスにとっては猛毒なのでしょう。 では、早速この液体の効果を知りたいのでダグラスへ飲ませて来ますねっ!」
そしてリリアナはまるで玩具をもらった子供のような表情で俺の影へと沈んで消えていく。
きっとリリアナであれば上手くいく事だろう。
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