第77話 俺だって我慢している
「はい。 私もそう思ういます。 同じ男性であるご主人様の方が何倍も魅力的ですね。 もはや比べる事自体が失礼に値するレベルには。 もしご主人様に出会えてなければ私も男性というだけで惚れてしまってしまうかもしれないのだが、ご主人様を知ってしまった後では例え男性であろうともゴミ虫以下に思えてしまいますね。 いえ、それではゴミ虫に失礼いでしょうか?」
そしてリリアナは俺の言葉に賛同するのだが、流石に言い過ぎではなかろうかと思ってしまう。
しかしながら、そう言われても仕方ないような事をしているので訂正もする必要もないだろう。
「本当に、同じ男として情けない……」
「本当にそうですね。 今すぐにでもクロード様の元へと連れてきて土下座させた上でクロード様の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい程ですっ!! そして、クロード様の子供を身籠りたいと思っておりますっ」
なおも俺の言葉に続いてキツイ言葉をリリアナは言うのだが、後半ちょっと無理矢理すぎないか?
「あぁ、ご主人様の前でついに言ってしまいました。 は、はしたない女だと思われていないでしょうか?」
そしてあんな事を言ったリリアナは褐色の肌でも分かるくらいに顔を真っ赤にしながら恥ずかしがっているではないか。
その事からも恐らくリリアナは初めから最後に俺へ言った言葉を言いたかったのだろうが、しかしながら羞恥心によりシラフで言う勇気は無い為、勢い付ければその流れで言えるだろうと判断してこれ幸いとあんなキツイ言葉を吐いていたのだろうという事が窺えてくる。
だからこそ、あんななんの脈絡もないような言い方になってしまったのだろうし、あのキツイ言葉はリリアナの本心でもあるため演技っぽくなかったのだろう。
普通の人相手ならば不憫に思えてくるのだろうが、ダグラス相手には何の感情も湧かないのである意味では良いサンドバッグであると言えよう。
と、現実逃避をしてみるのだが、流石にこれ以上リリアナへ無反応なのは違和感があるだろう。
羞恥心によりモジモジとしていたリリアナも俺が無反応なのを少し不安そうに上目遣いで見つめてくるではないか。
その表情は卑怯だと言いたい。 俺だって我慢しているのだから。
「あの、ご主人様?」
「あ、あぁそうだな。 もし俺が学園を無事に卒業してリリアナの禊も終わり奴隷でなくなった時にリリアナがまだ俺との間に子供が欲しいと思ってくれていたのならば、その時は真剣に考えてみよう」
「は、はいっ!! ご主人様っ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます