第67話 目付きが明らかに明らかに変わった

「ではこれより武術の授業を始めようと思うっ!!」


 そんなこんなでパメラ先生は俺を解放する事によって雌の思考から教師の思考へと切り替えたのか、教師らしく授業の開始を告げる。


 他の生徒たちは小等部から学園には通っているのである程度武術の授業がどのようなもの分かっているのか普段通りの雰囲気でパメラ先生の方を向いて話を聞いているのだが、俺は何せ全てが初めての経験であり、少しばかり興奮していた。


 やはり男子たるもの前世では身体を動かす系の授業は待ち遠しいと思える程には好きな授業だというものが多く、俺もその内の一人であった為、単純に楽しみであるというのもあるのだが、他の講義に関しては魔術の授業以外は基本的に前世のような授業と大差ないため、いくら初めての経験といえども似たようなシチュエーションではあまり盛り上がらないというのも大きい。


 それ故に相対的に座学系よりも武術や魔術といった授業の方が楽しみになってくるのは致し方ない事だろう。


 一体、武術の授業はどのような事をするのだろうか?


 そんな事を考えながら俺はパメラ先生の話を真剣に聞きに入る。


「君たち高等部からは中等部と違って実際に組み手や模擬戦が多くなるのだが、その分怪我もしやすくなると思うから今まで以上に気をつけて、そして集中して授業を行うように。 おそらく最初は中等部で習った型や技を試してみたいとはもうのだが、遊びではないという事を踏まえて授業を受けるようにっ!!」


 そのパメラ先生は先ほどとは打って変わってちゃんと教師らしく話始めるのだが、どうやら中等部までは技や型の練習が主であったようである。


 そこら辺はちゃんと身体が出来上がってからとかいう事だろう。


 それと共に一体どの様な技や型を習ってきたのかとても気になってくる。


 今までは実家が雇ってくれた武術の家庭教師の技や型しか触れてこなかった為、これが初めて別の流派(流派と言って良いのかどうか分からないのだが)と触れる機会でありこれで興奮しなければ男ではないだろう。


「では、クロードは一度私と手合わせをしようか。 面倒臭いとは思うかもしれないがクロードの実力を知らないままで適当に組み手や模擬戦の相手やグループを作ってしまうと実力が離れすぎて怪我の原因になりかねないからなっ!!」


 そしてパメラ先生が、今から俺と手合わせをして俺の実力を測るというではないか。


 その理由は理解できるのだが、パメラ先生の話を聞いて周囲のクラスメイトたちの目付きが明らかに変わったのを俺は見逃さなかった。

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