第50話 あれ《ニーナ》でまだましな方
そして世の中の女性というのはどうやら私が思っている以上にヤバイという事がニーナによって良く分かった。
流石に大丈夫か? と思わざるを得ないのと同時に世の中の男性が女性から保護されており、男性だけの区画があるのも物凄く理解できてしまうほどには。
ニーナ曰く、
「ありがとう、ニーナ。 何だか私が今まで悩んできた事がどうでも良くなって肩の荷が降りた気分だわ」
「今までどんな事で悩んできたのかは分かりませんが、この私がお役に立てたのでしたら幸いです」
そして私はニーナに感謝の言葉を言うのだが、ニーナ本人は私がなんで感謝の言葉を言って来たのかいまいち理解できていないようで、不思議そうにしながらも感謝の言葉を受け入れてくれる。
「あと、今すぐにとは私の感情的にもまだ難しそうだけれどもクロードにはその内私の心が落ち着いてきた頃にでも感謝と、そして今まで男性というだけで決めつけて冷たい態度をとって来た事を謝罪しないといけないわね」
「え? そこに関してはそのままクロード様を嫌ってくれた方が私としてはライバルが増えない分ありがたいのですが?」
「あら、何を勘違いしているのかしら? 私はただクロードに感謝の言葉を言うだけで好意を寄せているとは一言も言っていないわよ?」
「本当にそうならば良いのですが。 …………今日のジュリアンナさんはどう考えてもクロード様を意識しているとしか…しかしながらその事を突いて本人に気づかせてしまうなんて事になたらまさに愚の骨頂。 このまま自分の気持ちに気づけないままでいてもらった方が良いですね。 今までジュリアンナさんが持っていた男性に対する偏見と遅すぎる初恋故の弊害で自分の恋心に鈍くなっているみたいですし、そのまま卒業まで気づかないままでいてほしいですね」
そして何を勘違いしたのかニーナは私がクロードに恋していると勘違いしてしまっていたのであろう。 私をニーナの恋敵になるくらいならば今まで通り嫌ってくれた方が良いと言うので、そうではない旨をニーナに伝える。
しかしながらそれでもニーナからすれば怪しいようで『本当にそうならば良いのですが』と怪しまれてしまう。
その後ニーナは何かぶつくさと呟いていたのだがただの独り言で私に向かって話している訳ではなさそうなのでそのまま放置して久しぶりの湯船を堪能するのであった。
◆
その日、学園は朝から騒然としていた。
何故ならばクロードとジュリアンナが同じ馬車で登校して来たからである。
異性と同じ馬車で登校など、全てに乙女が夢見るシチュエーションの一つでるというのも大きいのだがそれだけではここまで騒然とはしないだろう。
一番の原因はやはり同じ馬車で登校してきたという事であり、それによって一つの疑惑が出て来たというのも大きい。
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