第43話 巨乳ダークエルフ


 そして俺はニーナがお風呂場へ向かった事を確認すると、二回ほど『パンパン』と手を叩く。


「及びでしょうか? ご主人様」


 すると俺の護衛をしている女性、リリアナが音もなく前に現れると跪いて頭を垂れる。


 ちなみにリリアナは俺がこの帝都で生活を始めて初日に暗殺しにきた巨乳ダークエルフである。


 勿論スタイルも抜群でモデルのように手足は長い。


 うん、これは普通のダークエルフではない。 ダークエロフだな。


 そして俺を暗殺しに来た当日はニーナ専用防御用結界を仕掛けた時でもあり、外側の窓には念のためトラップを仕掛けていたらまんまとそのトラップに引っかかっており無事に捕縛。


 そして一応連絡用魔術具によって野良ダークエルフを拾ったから飼いたいとお母様に伝えて了承を得た為、隷属魔術と共に黒い首輪をプレゼントしてあげたという流れである。


 お母さまからしても俺の護衛が気がかりであったらしく、隠密に長けるダークエルフかつ隷属させるという事で護衛用の戦闘メイドを新たに雇うよりも俺の貞操的に安全だと喜んでいた。


 そんなダークエルフのリリアナが何故俺の前で跪いて頭を垂れているかというと、俺はリリアナの望みを叶えてあげたからに他ならない。


 そしてそれはリリアナが俺を襲いに来た理由にもなるのだが、妹が病で倒れ、男性の血肉は万病に効く特効薬であるという事実無根のデマを信じて突撃しに来たようである。


 なので俺はリリアナが俺を襲いに来た原因である妹の病を治してあげたのだが、思っていた以上に崇拝されてしまっているというのが現状である。


 俺からすればリリアナの妹の病気は、話を聞く限りどう考えてもただの偏食による栄養失調であった為回復魔術をかけてあげた後はバランスよく食事をする事を心がけるように注意したくらいである。


 リリアナや母親も妹を可愛がり過ぎた結果だと反省しているようだし、これで恩という鎖で繋ぎ、俺を襲った禊という意味でも俺が学園に在籍中は隷属して俺の下で働くという流れとなった。


 母親も、本来であれば娘が犯罪奴隷として売り飛ばされる所を前科も付かず、あわよくば孫まで見えるかもしれないと俺の手を両手で握り『娘をよろしくお願いします。 次娘と会うときは家族が何人増えているかしらね』と言われているので親公認でもある。


 しかしながら唯一の誤算は、当初リリアナが俺に対して恩人程度には恩義を感じてくれるだろうと思っていたし、その為に妹を救ったのだが、蓋を開けてみば恩義どころか崇拝の域まで達してしまっている事である。


 現段階ではそれでも何ら問題ではないが、契約満了時である俺が学園を卒業する時の事を考えると今から胃が痛む。

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