第36話 恋の病
「も、もう……分かったわよ」
そして私はクロードへ保健室の場所を教えながら、そこまでお姫様抱っこをされながら向かう。
当然その間は保健室までの道中にいた学生たちには見られてしまう為、私は恥ずかしすぎて自分の顔を隠すことで精一杯であった。
そして保健室へと運ばれた私はベッドにそのまま寝かされぼんやりと天井を見つめていると、数分後にクロードがさまざまなフルーツを持ってきて、ベッドの横にある椅子に座ると持ってきたフルーツを一口サイズに切ってフォークに刺すと私の口元まで持ってきてくれる。
「どうした? 食べないのか? 体調不良の原因はまだ分からないだろうけど風邪の場合はひき初めはフルーツが良いらしいから、とりあえず切ってはみたのだがフルーツ嫌いだったとか?」
そんな子犬のような表情で見つめられたら『嫌だ』など言えるわけもなく私は昼休みが終わるまでクロードからフルーツを食べさせられるのであった。
◆
「そ、それで先生……私の罹ってしまっている病気は何なのでしょうか?」
今私は休み時間も終わって保健室に戻ってきた先生に自分の症状にについて詳しく説明し終えてあとは私の症状から導き出されるであろう病名を聞くだけである。
「えーーと……ジュリアンナさんの症状が『クロードさんを見ると動悸が激しくなる』『クロードさんが他の女性と仲良くしているところを見ると胸が苦しくなる』『クロードさんの事を考えたり、優しくされると顔が熱くなる』などでよかったかな?」
「はい、そうです。 どんな病気であろうともしっかりと受け止めますので、隠さずに教えてくださいっ」
そして私は自分の覚悟を伝えると養護教諭の先生は初めこそ困ったような表情をしていたのだが私の覚悟を感じ取ったのか私の目を見て話始める。
「良いですか? ジュリアンナさん。 これから私が言う病名は必ず信じてください。 言い訳もしないでください。 それができないのならば私はジュリアンナさんが罹っている病名は教えるつもりはありません」
「はい、わかりました。 先生の教えてくれた病名は必ず信じ、そして言い訳は致しません」
言われても信じたくないと現実逃避をしたくなるほどまでに私は病気に罹ってしまっているのか。 そう思うと少しだけ緊張してきた。
「そこまでいうのなら、きっとジュリアンナさんも覚悟はできているようね」
「……はいっ」
「では、教えるわね。 ジュリアンナさんの罹っている病気は恋の病で間違いないわね。 というか誰がどうみても分かりやすいほどに、そして間違いようがないほどに恋の病ね」
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