第35話 今まで感じたことのないような幸福感
思うところは確かにある。
クロードの近くにいるだけで鼓動が激しくなるし、たまに胸が『きゅー』と締め付けられるような感じになるし、先程なんか顔がいきなり熱くなったような感覚になってしまったのだ。
どう考えても今の私の身体はおかしくなってしまっているのは明らかである。
休日になったら病院へ行こうと思っていたのだが、これはもう一日も遅れたら取り返しのつかない事になってしまっている場合もありそうなので昼食を食べ終えたら、クロードには悪いのだが私は一度保健室へ行って保険医へ簡易的ではあるものの症状を見てもらい、安静にした後翌日学園を休んで病院へ行こうと心に誓う。
「ジュリアンナ、お前本当に大丈夫か?」
「ご、御免なさい。 やはり身体の調子が悪いみたいだわ。 昼食をとった後ちょっと保健室へ行こうと思うわ」
「そうか。 むしろ無理に食堂について教えてほしいと連れ出してしまって申し訳ない。 本当にしんどいようだし俺が保健室まで担いで行ってやるよ」
「だ、大丈夫だからって、きゃぁっ!?」
「大丈夫じゃないから保健室へ行くんだろ? 俺がこのまま保健室へと連れて行ってあげるから黙ってろ」
「……う、うん」
そして私の体調が悪い事をクロードは感じ取ったのか、心配げに聞いてくるのでここは素直に体調が良くないので昼食を食べ終えた後に保健室へ向かう旨を伝えると、クロードは私の静止を聞かずにそのままお姫様抱っこの要領で私を担ぎあげると、このまま保健室へと向かうというではないか。
そして私は今まで感じたことのないような幸福感に包まれ、それと同時に私の鼓動は尋常じゃないぐらいに高鳴り始め、胸の締めつけも今までは『きゅー』程度だったのが『ぎゅーっ!!』と思えるレベルまで強く締め付けられ、顔も火が出そうなほど熱くなってくる。
そんな状態だからこそ自分で保健室まで行けないと判断したのだろう。
クロードから『このまま保健室へと連れて行ってあげるから黙ってろ』と言われた私は素直にこのままクロードに保健室まで担がれるのを受け入れてしまう。
今まで誰かに頼るという事をあまりしてこなかった私は『誰かに頼るというのはこれほどまでに安心するのだな』と思ってしまう。
「とりあえず保健室に着いたらベッドで横になっておけ。 昼食は体調が悪い時は消化が良い物の方がいいだろうか買ってきてあげるから、それだけでも食べておけ。 治すのにも体力は必要だからな。 それで、体調が悪いところは申し訳ないのだが保健室の場所まで教えてくれないだろうか?」
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