第26話 物凄く恥ずかしい気分になる

 一体どうやってこのニーナはこの魔術学園へ潜り込んだのか。


 そんな事を思っていると始業のチャイムが鳴り、ニーナは俺の後ろの席へと着く。


「よし、これから出席を取るのだが、今日はその前に一人自己紹介をしてもらう生徒がいる。 ではニーナ、自己紹介を頼む」


 そしてカレンドール先生がチャイムと共に入ってくると開口一番そんな事を言うではないか。


 そこ事からもニーナは正式にこの魔術学園へ入学している事が窺える。


 しかし、だとしてもニーナの見た目は二十五歳前後であり、実年齢は三十歳である。


 どう考えても無理があるし、制服を着たニーナは何故だかとても前世の男性達の夢を叶えているセから始まる女優にしか見えない。


 そして、それが俺の側仕えメイドという事もあり、今俺は物凄く恥ずかしい気分になる。


 何だろう、友達とイーオーンで遊んでいると母親と鉢合わせしてしまい、更に母親が俺の友達たちに挨拶からの世間話へと突入するような、そんな感覚にかなり近い気がするのだが、更にそこに別の種類の恥ずかしさ、そう、あえて例えるのならばその母親のファッションが肌の露出多めにミニスカートというファッションだった時のようなそんな恥ずかしさが俺を襲ってくるではないか。


 できる事ならば今すぐここから逃げ出したいと、わりと本気で思ってしまう。


 しかしながらニーナは俺の気持ちなどお構いなしに何故か自信満々に立ち上がると胸を張り、クラスメイトたちをサッと眺めた後に淡々と自己紹介を始めていく。


「皆様、一応昨日お会いしておりますが自己紹介がまだでしたのでこの機会に自己紹介をさせていただきます。 私の名前はニーナ・ウッドと申します。 名前から分かる通りもちろんこれは仮の名前でありマナではございません。 しかしながらだかといって完全なエルフというわけでもなく祖先がそうであったというだけであり、すでに五世代目ですので見た目はほとんど人族と変わらないのですが一応念には念をというわけで仮の名前を使わさせていただく事をご理解いただければと思います。 年齢は今年で三十歳となってしまうのですが私は少しばかりエルフの血が濃いのか人間の年齢で言うところの十五歳前後ですのでどうか皆様も同い年と思って気兼ねなく接していただければ幸いでございます。 ちなみに私の祖先でありエルフの血のルーツはこの学園長であるアーリャ・ウッド様なのですが、私にとっては親戚のおばちゃん程度の関係ですので親戚という立場でどうのこうのとできるような立場ではございませんので、その点に関しましても他のクラスメイトたちと同様に接していただければと思っております。 そして最後に、私はクロード様の側仕えメイド・・・・・・でございます。 何卒よろしくお願いします」

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