第18話 今まで通り
「いや、死ぬほどの事でもないだろう? ただ、
そして俺はニーナに『今まで通りでいい』と強調して話す。
なにも清廉潔白であれと言っている訳ではないのだ。 俺の許容範囲内がこのラインだと言っているだけなのである。
「い、今まで通り……と言いますと……?」
ニーナも俺が敢えて強調して喋った『今まで通り』という言葉に何か引っ掛かるものを感じたのだろう。
そして俺が敢えて強調して『今まで通り』と言った理由をなんとなく察したのかみるみる内にニーナの顔が真っ青になってくる。
「そう、今まで通りだよ。 おや? 顔の色が優れないようだがどこか具合が悪いのかな?」
「い、いえ……だ、大丈夫ですっ。 そ、それで……そのぉー……今まで通りというのはどのような……」
「いや、特に深い意味はないよ。 ただ、今まで通り働いてくれればそれでいいからさ。 俺に気を使っているのか分からないが、お風呂やベッドまで一緒にいたら大変だろうしニーナにもプライベートの時間は欲しいだろう?」
「そ、それはまぁ、そうですね……。 かしこまりました。 クロード様がそこまで言うのであれば仕方がありませんね」
そしてニーナは耐えきれなくなったのか俺に『今まで通り』を強調した理由を聞き出そうとしてきたので俺はあえてあの事には触れずに説明すると、あからさまにホッとした表情をしながら、俺にバレないように深いため息を吐いているのが分かる。
しかしながら先程のニーナの発言した内容『クロード様と一つ屋根の下であんなことやこんな事~~』も俺的にはヤバいと思うのだが当の本人はまだその事に気付いていないようである。
知らぬは仏とはこの事だろう。
しかしながら俺は仏ではないので将来の交換材料としてしっかりと盗聴魔術具で保存済みである。
そして『クロード様と一つ屋根の下であんなことやこんな事~~』発言については一旦放置するとして、とりあえず今は『今まで通り』の意味をしっかりとニーナに伝えてあげようと思う。
「そう。 あ、一応ニーナが使い終わった後の俺のパンツはしっかりと洗濯しといてね?」
「あ、はい。 かしこまり………………えっ!?」
そして俺は敢えて俺のパンツで何をしていたのかは伏せてニーナに伝える。
すると敢えて俺のパンツで何をしていたのか伏せて伝えたお陰でニーナに俺の言葉の意味が正しく伝わるまでにタイムラグが発生したようである。
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