第17話 私に死ねと言うのですか
最初こそはもみくちゃにされてしまうのではないか? と思っていたのだがそんな事も無く平和に授業は終わった事は良かったのだろうが、国民的アイドルがテレビ企画で女子高に訪れた時のような反応を期待していた俺からすれば少しだけ拍子抜けでもあった。
「では、私と一緒に食事にしますか? それとも私と一緒にお風呂にしますか?」
そして別荘に帰宅した俺はイケメンとしてのイメージを崩さない為に張り詰めていた緊張を解いてリラックスしようとしたその時、ニーナがちょっと良く分からない事を俺に聞いて来るではないか。
さも一緒にお風呂に入るのは当たり前であるという態度で聞いてきた為一瞬脳がバグりそうになったのだが、当たり前なわけがないだろう。
「いやちょっと待て。 食事は分かるがなんで風呂まで一緒に入らなければならないんだ?」
「…………え?」
「…………え?」
あれ? 俺は何かおかしな事を言ってしまったのだろうか? いや、そんなわけがない。 惑わされるな。
「あれ? 聞こえていなかったのだろうか? もう一度聞くけど、お風呂は一緒に入らないよね? なんで一緒に入ろうとするんだ?」
「私は今まで通りクロード様の側仕えメイドとしてお母様であるスフィア様より別荘での暮らしを任されております」
そして俺の問いにニーナはこれが答えだとばかりにドヤ顔で『自分クロード様の側仕え』だというではないか。
「あぁ、そうだな。いつも助かっているよ」
「ありがとうございます」
「だが、ニーナが俺の側仕えメイドである事と、俺と一緒にお風呂に入るのは違うよな?」
「な……」
「な?」
「何でですかっ!? 私はクロード様専属の側仕えメイドなのですよっ!! これは言うなればクロード様のお側に常にいなければならないではありませんかっ!! それは食事時は勿論、お風呂も一緒に入り、そして一日の最後はクロード様の隣で眠るのが私の与えられた仕事ではないのですかっ!? 流石にトイレまでは一緒というわけにはいきませんが、それ以外はお側で仕えさせていただきますっ!! やっとスフィア様から離れられてこれからメイドである私とご子息であるクロード様と一つ屋根の下あんなことやこんな事がこれから起こるのではないのですかっ!?」
「いや、うん……起こらないし起こさせないよ? とりあえず本邸にいた時と同じで内容で俺のサポートを頼む。 あと、もし何かあったらお母さんに告げ口するから」
「あぁっ、なんと無慈悲なっ!? クロード様は私に死ねと言うのですかっ!?」
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