第2話 満天の星空

海に行きたかった・・・。夏だし。

海で泳いで、ビーチボールをつかって

キャッキャしながら遊びたかった。


泳げない母さんを笑いながら沖に連れて行って

放置して遊びたかった。


そして俺たちは何故か山に来ている。

どうしても母さんがこの神宮に来たいと。


そう、霧島神宮。


「母さんや、ちょっといいかな」

「なんでしょうか?勇樹さん」


さっきから何しているのか聞いてみた。

すると母さんは


こっちの世界では霊力っていうの?

それをね、感じてね、魔法を使うための

力をためてるのよ?


大丈夫。母さんはほんのちょっと

天然で厨二病って俺は知ってるから。うん。


近くのソーメン流しで、目の前でぐるぐる回る

ソーメンを二人で食べている。

・・・・旨いからいいけども。


そして俺たちは温泉につかる。

泥を体に塗りたくって湯船につかる。

露天風呂だ。

美肌効果がすごいらしい。

これでおれも美肌の持ち主だ・・・・。


温泉から上がり二人で牛乳を飲む。

・・・・旨いからいいけども。


そして今晩泊まる、高原高原のコテージについた。

念願のバーベキューだ。


「ところで母さんや」

「はい、なんでしょうか、勇樹さん」


これはなんだと問いかけた。

母さんはキッパリと、ハッキリと


「茄子」


と答えた。


うん。旨いよね、焼き茄子。

味噌塗ってさ。


でもね、母さん。

バーベキューではね、なかなか焼く人いないよ?

あと、これは?と問いかける。


「山芋よ」


母さん、通だね、焼き山芋。

でもね、母さん。

バーベキューではね、なかなか焼く人いないよ?


もうガン無視して俺は肉を焼いた。

鹿児島県産黒毛和牛だ。

そして鹿児島県産黒豚。


どうよ、これぞバーベキュー。


「勇樹さんや、ちょっといいかな」

「なんだい?母さんや」


肉の油がすごすぎて黒豚の肉が燃えている。

・・・・黒焦げになっていた。


「勇樹さんでも失敗するのね」

と母さんは笑う。


くっそ、バラ肉じゃなくロースにすればよかった。


母さんはビール、俺はファンタグレープを飲みながら

空を見上げる。


そこには・・・・



うん。

夏の山も最高だ。










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