第45話

「鉄騎獣…聞いた事は?」


「いえ…」


 司令官室に移動して、暫く経っていた。

 夜着から着替え、灯りが改めて灯されていた。

 ガイアン、ガルボック、シャウタールの三人は、落ち着いた様子だった。

 話をするのはやはり、ガイアンだった。


「実の所、鉄で出来てるのか…さっきの見た限り、違うな」


「銀色でした」


「ただ、銀の柔らかさじゃ、向いて無い」


「何に?」


「殺しに」


 司令官の顔が、固まった。返事を、しなかった。


「形も、見えた事と思う…頭みたいな玉の両側に、指先が尖ったデカい手が」


「近付いて、あの手でバッサリって事」


 ガルボックが、口を挟んだ。


「あ…」


 司令官の目に、理解の色が浮かび始めた。恐怖も、一緒だった。


「そう、三人を殺したのは、あいつ…生き物みたいに呼んで良いか、判らないが」

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