第44話

「恐れていた、事態に」


「失敗か?」


「は…」


 暫くの、沈黙が有った。


「エスナルドル司令官は、当人にそのつもりは無いが。極めて重要な位置に、立っておる…生きていられては、大勢の不幸せ」


「重々」


「ガレニア様に、何と知らせたものやら」


「全て、私の責めにござります」


「言うで無い…司令官め、兵士が三人も殺されておりながら中央に、知らせぬとはな。いきなり、傭兵を呼ぶとは」


「愚かしさという物、予想すべきでした」


「此のままでは、ガレニア様に申し訳立たぬ…考えるべきは、そこだ」


「皆殺す手も、有ります」


「無論」

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