第37話
次の日の朝、司令官の行動は、完全に予想通りだった。仕事の終了が、申し出られた。
「当然ながら、報酬きちんと払わせて頂きます…結果的に襲撃無かったからといって、働いて下さった事に変わりません」
「感謝する」
「こちらこそ、有難うございました」
「ところで、済まないがもう一晩だけ、滞在させて貰って良いかな…正直中々、疲れた」
「特にもてなす事も、出来ませんが…遠慮無く、御自由に」
「有り難い」
それからの、その日の三人の行動を見張っている者が居たとしても、何らの動きを目にしたとも言えなかったであろう。
全員、砦の中と直ぐ回りをぶらつき、時々、話し掛けたりするだけだった。開拓者達は、会話を拒否したりはしなかったが傭兵達に対しては距離を取りたがる風だった。あくまで、遠くから眺めていたそうだった。
再び兵士達が、本来の巡回に出発していった。皆、緊張を浮かべていたが特に、デアリア鉱山方面を受け持つ者達の顔付きは、固かった。自ら志願したというバルキエールがその中に、加わっていた。一人、決然とした表情だった。
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