第18話

 やはり司令官は、返事をしなかった。暫く沈黙が、続いた。


「こっちは、傭兵だから…そちらの背負ってる責任については、何も言えない。ただとにかく、一人でやり切ろうっていうのは、無理だろうと」


 何かを決断した様に言葉が出て来るまでには更に、暫く掛かった。


「仰る事、判ります…ですがやはり、此処は私の砦ですから。私の考え方で、やらせて頂きます…みなさんも、従って下さい」


「勿論、雇い主はそちらだ」


 ガイアンも、ガルボックもシャウタールも表情は、動かなかった。


「宜しくお願い致します」


「それで、そうなると我々に、どうして欲しいのか、という事になる」


「とにかく、兵士達を襲った奴を見付け出し、止めて下さい」


「判った」


 場の空気を収める様にしたのは、ジャフリカだった。もっとも司令官自身は、その空気に気が付いていない様だった。


「ところで我々の宿舎、用意して頂けてるんでしょうな…一旦、こいつらは三人で色々、話し合いたいと思われ!」


「案内させます」

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