第17話
「そもそも、読めない事柄が多過ぎます」
一旦小屋を出てから改めて、司令官と話をしていた。
「何故、一人離れた者ばかり襲ったのか?仮にも、鎧を着込み武装した、巡回中の兵士…それが、声を立てる間も無く一瞬で、やられています。その強さなら正直、何人か居た所で結果は、同じでしょう。そして、強さに関して言えば…確かに、剣や斧の傷では無い、何らかの獣に襲われた様にも見えます。が、あれ程の強さの獣は、想像も付かない」
「自分には、さっぱり判りません…どうして良いかも、判りません」
司令官の表情は、悩んでいるというよりもただとにかく、良くない事が起こるのが判っていて、それに耐える心積りをしているといった風だった。
「砦の兵を、集めましょう」
「え?」
「全ては、それからです…まず兵達を集めて、全ての事柄、全ての考え方について話をする。これから、どうすべきかを示す。その後、砦の人々を集めて、同じ様に話を」
「しかし、御存知でしょうが、砦の者達は…」
「その考え方は、捨てましょう」
ガイアンの声にはやや、鋭さが有った。
「入植砦の兵達がどの様な物かは、知っています…しかし今は、頼るしか無い」
司令官は、返事をしなかった。
「とにかくまず皆で力を合わせ、信頼してまとまるべきです」
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