第11話

 ガイアン達は、ザリアの街に入った。

 丸太の、柵。城門だけは、石造りの構造と組み合わさっていた。土が踏み固められて何となく、道を形作っていたが、はっきり街路図を描ける感じでは無かった。丸太小屋の密集が、不規則に点在していた。

 駐屯砦と神殿だけが、強固なる建物と言えた。


「寝床が余って無いか砦に、話をして来ます」


 バルキエールが、言った。


「駄目だったら無理しなくて、良いから」


「はい…!」


 既にアイヌールの渡しは、動いていない時間だった。


「なあ、ヒ・ド・い・よなあ!」


 ジャフリカが、久々に口を開いた。


「どうした?」


「此処までの間ずっと、皆、俺に!口を開くんじゃねえ、黙ってろって目付きをずっと、してきやがってさ!」


「そんな酷い事、してたか?」


「ふざけるなよ!」


「ジャフ」


 ガルボックの声は、低めだった。


「お前は、黙ってて丁度良いんだよ」


 行き交う人々は、豊かには見えなかった。数も多くは、無かった。

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