第14話 はじめてのBで耳たぶ以上にあらゆる部分が燃えた件④
前回までのあらすじ。
JDのメアドをゲットしたアホな男がニヤけています以上!
その日から、メールはずっと続いた。
っていうか3通目くらいのメールで
「川嶋さんじゃなくて、下の名前で呼んで欲しいねん」
って言われた。有頂天野郎のテンションはさらに上がり、その瞬間から頭の中は99%川嶋さん、いや“ゆみちゃん”のことで埋め尽くされたのである。
くだらないノリの言い合い、
お互いのプライベートの話、
それはもう色んなことを話した。
俺のちっぽけなプライドのためにこれだけは自慢させて欲しい。メアドを聞くのが苦手な俺は、実はメールは得意なのだ。大学時代は先輩とかから沢山女の子を紹介してもらったけど、実際会うまでのメールでの印象は常によかった。初対面の女の子がお菓子を作ってきてくれたことまである。どうだすごいだろ? ……誰とも付き合ってないけど。
で、話を戻そう。なので俺はそのやり取りの中で、ゆみちゃんからたくさんのことを聞いた。
家庭環境が複雑なこと、初彼と想い出、実はソープランドで働いていること、実は彼氏がいること。
か・れ・し・が・い・る・??
有頂天野郎の顔から血の気が引いていくのがわかる。さらにくわしく話を聞いてみる。
彼氏とはナンパされて知り合ったこと、めっちゃ年上で現場系のマッチョな彼氏だということ、ちょいちょいお金をせびってくること、彼氏のせいでソープで働くハメになったということ、そしてもう別れようかちょっと悩んでるということを知る。
その瞬間、俺の有頂天はまた復活した。なんとも簡単な男である。
『俺、キープされてるの?』
なんて心配は一切抱かず、ソープで働いてることなど気にもとめず、
『だったらワンチャンあるじゃん!』
というピンク色の快楽物質でほぼ全ての脳細胞が埋め尽くされる。
俺はそれらの情報からまた有頂天ムーブを開始する。ワルな彼氏と対峙する時になった時のために腕立て伏せとシャドーボクシングを日課にし、ゆみちゃんの仕事や彼氏の愚痴を聞き、わずかに残された正常な脳細胞さえもピンク色に染めていく。
そして俺の元にゆみちゃんから、こんなメールが届く。
「なんか、色々聞いてくれてありがとうなぁ。なんか、お礼に、……キスする!」
そのハレンチ学園第3部ほど走るリビドーみたいなメールに俺は……、
何故かブチ切れるという話はまたもちろん次回へと持ち越させてもらうことを許していただきたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます