第13話 はじめてのBで耳たぶ以上にあらゆる部分が燃えた件③
前回までのあらすじ。
暇すぎる会議中にJDのパンツを覗こうとしてバレて好きになりました以上!
さて、俺がいくら救いのないアホなスケベヤローだったとしても、そこに幸運が訪れることもあるものだ。
それからも順調に川嶋さんとら仲良くなっていった俺はシフトの被った日は毎回途中まで一緒に帰っていた。
電車の中で他愛もない話をする時間は、控えめに言って最高だった。
仕事のこと、他の同僚をどう思ってるのかとか、子供は好きなのかとか、実は別にスナックでも働いていることとか、川嶋さんのことを少しずつ知れるのが楽しかった。それに、自分の話を、しっかりと目を合わせながら伝えてくれるのが最高嬉しかった。
しかし、普通に恋愛を楽しめるスペックを持つメンズには理解できない事象が一つある。この段階で俺はまだ、川嶋さんの連絡先を知らなかったのだ。
別に知りたくないわけではない。むしろ超聞きたい。シフトが被る前日から『次は、次こそはメアドを聞く!』なんて決意を胸に抱えていたほどだ。なのに本番になると聞けない。どんなタイミングで聞いて良いかわからない。『え? 今? こんな不自然なタイミングで? こいつどんだけあたしのメアド聞きたいねん?』とか思われたらどうしよう? とか心配になってしまうのだ。そう、俺は病的なまでに自意識過剰で、連絡先の交換というのを何故か重く捉えていた。実際、俺は連絡先を聞くのがたとえ相手が同姓であろうと苦手で、連絡先を聞くという行為がまるで『俺、お前に連絡したいんだよ好きだから』なんて告白してるみたいに感じてやたらと恥ずかしかったのだ。向こうから聞かれたときはそんなの一切思わないくせに変な話だ。
だから、普通にらそれが出来る人にはわからないだろうけど、この時の俺は本当に頑張ったのだ。褒めろ。
「うん、ええよー、はい」
そして、当然メアドはなんの問題もなくに交換されることとなった。毎回苦痛に避けられることもなく一緒に帰ってんだから当たり前だろいい加減にしろ!
で、この後帰って俺の病気は発動する。
『今日いきなりメールしたら好きなのバレそう恥ずい』
きっと、奥手である事の原因が科学的に解明されたら俺にはきっと、救いようのないレベルで病名がついてしまうだろう。多分ステージ4とか末期とかのヤバいやつ。
なんてクソみたいな理由でメールを送るのをやめとくというヘタレ結論を導き出した俺の元にあっさりとそれは届いた。
「今日はありがとう! いいなりメールしちゃって大丈夫やった?」
向こうから来るんか〜い。
圧倒的にニヤけ面の有頂天野郎が爆誕したところでこのアホくさい恋の話は次回へと続く。
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